伝統・民族
西洋フォーク・非西洋古典・各国民謡・ガムラン・ヒンドゥスターニー
アフロビーツ
2000年代以降、ナイジェリア・ガーナを中心に発展した、アフリカのリズムとポップ・ヒップホップを融合した音楽。
アフロビート
1960年代末にFela Kutiが確立した、Highlife・Funk・Jazzを融合した政治色の強いアフリカ音楽。
コリードス・トゥンバドス
メキシコの伝統的コリードにヒップホップ要素を加えた現代ジャンル。2019年のNatanael Cano『Corridos Tumbados』とJunior Hがジャンル名と型を作り、2023年のPeso Pluma『Ella Baila Sola』とFuerza Regidaが世界的爆発をもたらした。
バングラ
パンジャブ地方の収穫祭の民俗ダンス音楽。1980年代以降は英国でポップ化された。
フラメンコ・カンテ
フラメンコの歌の枝。パロ(曲種)ごとに違う12拍のコンパスに乗せて、しゃがれ声で絞り出す独唱伝統。
フラメンコ・トケ
フラメンコのギターの枝。ナイロン弦のフラメンコ・ギターによる独奏と、カンテ・バイレの伴奏の両方を担う技法体系。
フラメンコ・バイレ
フラメンコの踊りの枝。サパテアードの足打ち、腕の描くカーブ、指の折り返しで空間を切る舞踊芸術。
OPM
フィリピンの自国産ポップの総称。1970年代のマニラサウンド(Freddie Aguilar、APO Hiking Society)、90年代のPinoy rock(Eraserheads、Rivermaya)、2010年代以降のインディー系(Ben&Ben、Cup of Joe)と、半世紀にわたって更新されてきた国民音楽。
アイリッシュ・トラッド
アイルランドの伝統舞踏・歌謡音楽。
アマピアノ
2010年代の南アフリカで成立した、Houseに深いベースとログドラムを乗せたダンス音楽。
インディー・フォーク
2000年代後半にFleet Foxes、Bon Iver、Mumford & Sonsらが確立した、伝統フォーク楽器とインディーロックの感性を融合した現代フォーク復興運動。
ガムラン
ジャワ・バリの青銅打楽器を中心とするインドネシアの宮廷・儀礼アンサンブル音楽。
クレズマー
東ヨーロッパのアシュケナジ系ユダヤ人の民俗器楽音楽。クラリネットとヴァイオリンが特徴。
スークース
1960年代以降のコンゴで成立した、Cubanルンバとアフリカの感覚を融合したダンス音楽。
ドイツ語ラップ
ドイツ語ラップ。Apache 207、RAF Camora、Ski Aggu、Capitalらが現代を代表。トルコ系移民ラッパーも本流に合流。
ハイライフ
20世紀初頭のガーナで成立した、ヨーロッパの吹奏楽とアフリカのリズムを融合した音楽。
ファド
19世紀のリスボンで成立した、サウダーデ(郷愁)を歌うポルトガルの伝統歌曲。
ライ
1920年代以降にアルジェリア西部で発展し、80年代にエレクトリック化したアラブ系大衆音楽。
アイランド・レゲエ
ニュージーランド・サモア・トンガ・ハワイの太平洋諸島系コミュニティ発のレゲエ・ポップ。Six60、Stan Walker、Common Kingsら。
アイリッシュ・フォーク・リバイバル
1960-70年代、伝統歌謡と器楽を舞台音楽として再構築した世代。
ネーデルポップ
オランダ語ポップ。Suzan & Freek、Goldband、Snelle、Maan等。1960年代のNederbeatから連綿と続く。
ノルテーニョ
メキシコ北部・米国南西部のメキシコ系コミュニティで19世紀末から生まれた、ボタン式アコーディオンとバホ・セスト(弦ベース)が核となる民族音楽。国境地域の人間たちの愛、別れ、苦労、移民の経験を歌う。
マハラガーナート
エジプトの労働者階級発の電子シャアビー音楽。カイロ郊外Salam City発、FL Studioで作る安価で挑発的なダンス音楽。長らく公的放送禁止のDIYジャンルが、TikTok経由で2020年代に主流化。
レパルト
ハバナのバリオ発、ジャマイカ系デンボウ × キューバのティンバ・ソン融合の高速ペレオ。Wampi、Oniel Bebeshito、故El Taigerら。
アサカ
2020年、ガーナ第二の都市クマシで爆発した、UK ドリル直系のトゥイ語ラップ・ムーブメント。
ウルドゥー・インディー
パキスタンのZ世代インディーポップ。Abdul Hannan、Hasan Raheem、Talal Qureshiらがbedroom-pop路線を確立。
カンタウトーリ
文学的な歌詞を自作自演するイタリアのシンガーソングライター伝統。
クワイト
1990年代の南アフリカで成立した、Houseを遅くしてラップを乗せた音楽。
クンビア・ソニデーラ
1970年代メキシコシティの街頭サウンド・システム文化から生まれた、コロンビア産クンビアの意図的にピッチを下げた再解釈。
ゲンゲトーン
ナイロビ発のシェング語(スワヒリ+英語+スラング)ストリートラップ。粗野でDIY、Buruklyn Boyzら。
サムルノリ
1978年に成立した、屋内舞台用に再構築した韓国打楽四重奏。
ナス・エル・ギワン運動
1970年代モロッコの民衆バンド運動。Nass El Ghiwane、Jil Jilala、Lemchaheb、Izenzarenが『ハッサン2世治下の民衆の意識』を音にした。
ヌエバ・カンシオン
アンデス民謡を土台にしたラテンアメリカの抵抗歌。
バウル
ベンガルの放浪神秘主義者が歌う、内なる神を求める歌。
マスカンディ
南アフリカ・クワズールー州ズールー系の旅人(マスカンダ)が一人で弾き語る、口頭詩イジボンゴを核としたフォーク・ジャンル。
ムバラ
セネガルで成立した、Sabarドラムを核とする民俗+現代的アフリカン音楽。
モーラム
タイ東北部・ラオスの民間語り物・歌謡音楽。
アイータ
モロッコ農村部の女性歌手集団『シーカート』が担う、叫びと祈願の即興詩歌。マルフーンの都市に対する農村の対応物。
アルプス・ヨーデル
アルプス地方の牛追い歌に起源を持つ、胸声と裏声を高速で往復する無伴奏声楽の伝統。
イリアン・パイプ音楽
腕の下のふいごで空気を送るアイルランドの室内用バグパイプによる独奏伝統。
エンデフノ
高名な詩人の言葉をブズーキの管弦楽に乗せた、ギリシャの「芸術的大衆歌」。
カプカ
2000年代、ナイロビで生まれたダンスホール+ヒップホップのハイブリッドで、後のゲンゲトーンの直接の親。
シャン=ノース歌唱
アイルランド語の無伴奏独唱による、微分音的な装飾を伴う古い歌の伝統。
スコティッシュ・フォーク・リバイバル
1960年代以降、Ewan MacCollからSilly Wizard、Battlefield Band、Boys of the Loughへ至るスコットランドの舞台化フォーク世代。
バル・ミュゼット
労働者街のカフェに響いた、パリのアコーディオン・ダンス音楽。
ヤシ酒音楽
19世紀末から20世紀前半、西アフリカ沿岸の港町のヤシ酒バーで生まれた、アコースティック・ギター主体の口ずさむ音楽。
ライコ
ブズーキを軸に据えた、戦後ギリシャの庶民の心を映す都市大衆歌謡。
リーダーマッハー
「歌を作る者」を意味する、ドイツ語圏のシンガーソングライター伝統。
ロシアン・シャンソン
帝政ロシアの都市恋歌と収容所の囚人歌が母体となった、犯罪的世界観と失恋を歌う男性ボーカル歌謡。ミハイル・クルグ、シュフチンスキーが代表格。
吟遊詩人歌
ギター一本と詩で歌う、ソ連の半ば非公認な弾き語り歌。
新ポルトガル歌謡
2010年代以降のポルトガル語シンガーソングライター復権。Salvador Sobral、António Zambujoがリーダー。
紅歌
中国共産党を称える、民謡を土台にした革命大衆歌謡。
黒海地方音楽(カラデニズ)
黒海沿岸地方の民俗音楽をケメンチェ(縦弾き擦弦楽器)とトゥルム(バグパイプ)で継承した、山岳的で急速なホロン(輪舞)音楽。
スイス民俗音楽
シュヴィーツェルオルゲリ(小型ボタン式アコーディオン)を核にした、スイス中央部のダンス音楽伝統。
ニャック・ドー
北ベトナムの革命・愛国歌。ニャック・ヴァンの政治的対極。
介入の歌
独裁に抗ったポルトガルの抵抗歌。革命の合図となった歌も。
アイヌ・ウポポ
アイヌの女性による座り歌ウポポ。ムックリ・トンコリと共にアイヌ音楽の核を成す集団歌唱。
アイヌ音楽
北海道・千島・樺太の先住民族アイヌの伝統音楽。
アカ・ピグミー・ポリフォニー
中部アフリカの狩猟採集民アカ・ピグミー族による即興多声合唱で、密林の音響環境に適応した音色体系を持つユネスコ無形文化遺産。
アスリ・イナン
マレー半島の伝統舞踊歌曲。アスリは緩やか、イナンは軽快。
アズマリ
エチオピア高原の世襲的吟遊詩人アズマリが、マシンコ(一弦擦弦)とクラール(琴)で即興的に風刺・恋愛・歴史を歌う伝統。
アゼルバイジャン・ムガム
アゼルバイジャンの古典旋法即興音楽。
アナトリア民俗音楽(テュルキュ)
現代トルコ各地の地方民俗歌の総称で、バーラマ(サズ)を中心に、結婚式・葬儀・農作業の機能歌を含む広汎な領域。
アニソン (2020s)
2019年 LiSA《紅蓮華》(鬼滅の刃)以降、Aimer・YOASOBI・Ado がグローバル・ストリーミング上位を占める2020年代型アニメ主題歌クラスター。J-Pop 主流との完全融合、Billboard Global への到達が特徴。
アボリジニ音楽
オーストラリア先住民アボリジニの数万年の歴史を持つ音楽伝統。
アマジグ音楽
北アフリカ先住民アマジグ(ベルベル)諸民族の集団歌舞群で、リフ、アトラス、サハラ各地域に独自の様式が伝わる。
アルジェリア・シャアビ
アルジェ旧市街カスバで育った都市民衆古典。アンダルス系ガルナーティの旋律を、酒場や祝宴の歌として親しみやすく編み直した。
アルバニア・イソ多声合唱
アルバニア南部の伝統的多声合唱。
イタリア映画音楽
1950-90年代、ロータとモリコーネがチネチッタ映画に書いた、口笛・ハーモニカ・女声合唱を主要音色とする南欧独自の映画音楽。
イヌイット・スロート・シンギング(カタジャク)
北極圏イヌイット民族に伝わる女性二人組の喉歌(カタジャク)。互いの口を向き合わせ、息と声を交互に差し込みながら、どちらかが笑ったり息を切らしたりするまで続ける競争的な二重唱。
イングリッシュ・フォーク・リバイバル
20世紀イングランドの伝統歌謡再興運動。
ウィンティ音楽
スリナムのAfro-Surinamese憑依儀礼wintiの音楽。1774-1971年オランダ植民地当局により禁止。
ウクライナ・バンドゥーラ音楽
コブザリのバンドゥーラ撥弦叙事音楽。
エイサー
沖縄の旧盆に踊られる、太鼓と踊りの集団芸能。
オルティン・ドー
モンゴルの長唱。一音節を極めて長く伸ばす儀礼的歌曲。
オールドタイム音楽
アパラチア山脈を中心に20世紀初頭まで広く演奏された、フィドルとバンジョーが牽引する米国の前ブルーグラス民俗弦楽合奏伝統。
カザフ・キュイ
カザフのドンブラ(2弦リュート)独奏による物語器楽。ソヴィエト期に国立化された古典レパートリー。
カセコ
1930年代スリナムで、Winti儀礼のリズムと西洋ブラスバンドが融合したダンス歌謡。
カドンゴ・カム
ウガンダ・ブガンダ系民族で1960年代に成立した、アコースティックギター一本(「カドンゴ・カム」=小さなギターひとつ)で長尺の物語と社会批評を歌う叙事歌謡。
カネカ
ニューカレドニアで1986年、Kanak 独立運動と歩調を合わせて成立した太平洋抵抗ポップ。
カビル音楽
アルジェリア北部カビル地方のアマジグ系カビル人による独自言語タカビリト・カビル語の歌で、政治・郷愁・抒情を高度な詩で歌う。
カンツォーネ・ナポレターナ
ナポリの抒情歌謡伝統。
カンテ・アレンテジャーノ
ポルトガル南部の無伴奏男声合唱。
カントゥ・ア・テノーレ
サルデーニャの男声4部即興多声合唱。
カンボジア古典音楽復興
1979年以降、クメール・ルージュ後のカンボジアで壊滅から再生した古典音楽の運動。
カージリー
雨季を主題とする北インドの準古典・民謡的歌曲。
カーフィー
パンジャーブ・シンドのスーフィー民間歌謡。
カールベリヤ
ラージャスターンの蛇遣い民族カールベリヤの歌と踊り。
ガイダ音楽
ブルガリア・バルカンのバグパイプ音楽。
ガルバ・ダンディヤ
グジャラート州の女神祭ナヴラトリで踊られる円舞・棒舞。
ギッダー
パンジャーブ州の女性集団民俗舞踊歌。
クアンホー
ベトナム北部紅河デルタ地方の伝統音楽で、男女の歌唱グループが交互に歌詞を交わす対唱形式。ユネスコ無形文化遺産。
クラパ
クロアチア・ダルマチアの男声多声合唱。
クリンタン
フィリピン南部・ミンダナオ島のムスリム系民族が奏でる青銅製鍋琴アンサンブル。東南アジア最古の金属打楽器文化のひとつ。
クルド民俗音楽(デンゲベジ)
国家を持たないクルド民族(イラン・イラク・トルコ・シリア)の民俗音楽群で、特に無伴奏吟遊歌デンゲベジが象徴的存在。
クレタ・リラ音楽
クレタ島の3弦擦弦楽器Lyra中心の音楽。
クロンチョン
インドネシアのポルトガル系を起源とする弦楽ポピュラー音楽。
クンディマン
フィリピンのタガログ語による愛と祖国を歌う芸術歌曲。
グアラチャ(エレクトロニカ)
2010年代コロンビアで成立した、トライバル・ハウス+コロンビア沿岸チャンペータ系のエレクトロ・ダンス。別名アレテオ。
ケチャ
バリ島の100人以上の男声合唱とラーマヤーナを演じる声楽舞踊。
ケベック・フォーク
カナダ・ケベック州のフランス系住民コミュニティで保持される、フィドル・足踏み・口述音楽が中核の民俗音楽。
ケルズ・ダント
ウェールズのハープ伴奏即興詩唱。
コサック歌
ドン・クバン・ザポリージャ・コサックの歌唱伝統。
コラデイラ
カーボヴェルデの明るい2/4ダンス歌謡。モルナ、フナナと並ぶ三本柱の一本。
ゴルハー
1956-1979のテヘラン国営放送番組《گلها(花々)》を軸にした、ペルシア古典の20世紀ラジオ管弦楽団化。ダーヴード・ピールニヤーが企画、ハーレギー・マハジュビー・バナーン・マルズィエらが実現した。
ゴーラレ音楽
ポーランド・タトラ山地高地民の音楽。
サイディ音楽
上エジプト(サイード)農民社会の祝祭音楽で、ミズマール(オーボエ系笛)とタブラの強烈な野外音響が特徴。
サバール
セネガル・ウォロフ族の手叩き太鼓合奏。ンバラックスの下敷きになった多層リズム。
サモア音楽
サモアの合唱・舞踊歌。教会合唱と伝統が融合する。
サルダーナ
カタルーニャの円舞音楽。
サレジー
マダガスカル北西部サカラヴァ族の儀礼音楽から発展した、6/8ベースの高速複合リズムを核とした島の代表的ダンス音楽。
ザジャル(レバノン)
レバノン山岳地帯で発達した即興口承詩歌で、複数の詩人が観衆の前で韻を踏みながら掛け合いを行う対話芸。
シェルパ民謡
ネパール・ヒマラヤ高地に住むシェルパ族が伝える民謡と踊り歌で、結婚式や祭礼に演奏される。
シナウィ
韓国の巫俗音楽起源、即興的合奏形式。
シャアビー(エジプト)
1970年代カイロ庶民街区で生まれた、社会批評と諧謔を含む下町歌謡で、後のマハラガナートの直接の母体。
シャシマカーム
ブハラを中心とする中央アジア古典組曲。ブハラのユダヤ人宮廷楽師が伝承してきた6マカーム体系。UNESCO(2003)。
シンド民謡
パキスタン・シンド州の砂漠と河川地帯の民謡。
シー・シャンティ
帆船時代の船員労働歌。
ジャイポンガン
1970年代のスンダで生まれた、現代化された伝統舞踊音楽。
ジュジュ音楽
ナイジェリア南西部ヨルバ社会で1920年代に成立し、戦後にバンド規模で発展したパームワイン酒場由来のダンス音楽。
ジョージア多声合唱
ジョージアの3声多声合唱伝統。
スウェーデン・ポルスカ
スウェーデン伝統の3/4拍子舞踏曲で、ヴァイオリンやニッケルハルパで演奏される民族舞踊の音楽。
スコティッシュ・トラッド
スコットランドのフィドル・パイプ伝統音楽。
スチールパン音楽
1930~40年代トリニダードで、廃油ドラム缶を音律楽器に転用して生まれた、カリブ独自の打楽器オーケストラ伝統。
スラックキー・ギター
ハワイ独自のオープンチューニング・フィンガーピッキング・ギター。
スーダン民俗歌謡(アガーニー・アル=バナート)
ナイル・ヌビア・アラブ・サヘルが交錯するスーダンの結婚式・社会儀礼の歌で、特に女性が担う「娘たちの歌」が象徴的存在。
セガ
モーリシャス+レユニオンの奴隷子孫が発達させた2/4クレオール・ダンス歌謡。
センバ
ブラジル・サンバの祖先とされるアンゴラの伝統舞踊音楽で、独立後の都市ルアンダで電化されたバンド・ジャンルでもある。
セヴダリンカ
ボスニアの抒情歌謡伝統。
ソーラン節
北海道ニシン漁の労働歌として19世紀中盤に生まれた民謡で、現在は学校行事や地域祭典の象徴的な歌。
タヒチ音楽
フランス領ポリネシアのタヒチ島で発達した、踊りと太鼓の音楽。
タランテッラ
南イタリアの急速6/8舞踏曲。
タンムリアータ
カンパニア地方の大型タンバリン舞踏。
ターラブ
ザンジバル発祥の、アラブ古典音楽とインド洋交易が融合したスワヒリ語の感情詩を歌う合奏歌曲。
ダブケ
レヴァント(レバノン・シリア・パレスチナ・ヨルダン)の輪舞を伴う祝祭音楽で、足で大地を踏み鳴らして連帯を示す。
ダルムシュタット楽派
1946年設立の Darmstädter Ferienkurse を拠点に、Boulez・Stockhausen・Nono・Maderna・Berio・Cage が集結した戦後西洋前衛の中央広場。総音列主義、電子音楽、偶然性、ライブ・エレクトロニクスがここで一斉に立ち上がった。
ダンドゥット・コプロ
2000年代東ジャワの Pantura 街道沿いで生まれた、速い kendang パターンと電子オルガンを軸にした dangdut の高速変種。Via Vallen《Sayang》(2017)が10億再生。
チェコ伝統音楽
ボヘミア・モラヴィアの民俗音楽。
チガーニ・ゼネ
ハンガリーのロマ楽団演奏様式。
チベット民謡
チベット高原の労働・祝祭・恋愛を歌う民謡群。
チムレンガ音楽
ジンバブエ独立闘争(第二次チムレンガ戦争)の中で、トーマス・マプフモらがショナ系ンビラ伝統をエレキギターに翻訳して生み出した解放音楽。
チャイティー・ホーリー
北インドの春季を主題とする準古典歌曲群。
チャストゥーシュカ
ロシアの諧謔的短詩歌。
チャトニー(印カリブ)
トリニダード・ガイアナ・スリナムの印カリブ・ポップ。Sundar Popo が Bhojpuri とカリプソを結んだ。
チャマメ
アルゼンチン北東部コリエンテス州・パラグアイ・ブラジル南部の三国境地帯で生まれた、グアラニー先住民・スペイン系・東欧移民の混合舞踊歌。
チャルガ
1990年代のブルガリアの pop-folk。共産主義崩壊後のバルカン全域で同時多発した post-transition pop-folk の一角で、Payner Music と Azis が業界を垂直統合した。
チャンプルサリ
1988年、Manthous が中部ジャワで発明した「混ぜたエッセンス」——ガムラン+クロンチョン+電子キーボード。Didi Kempot が全国化し、「Sobat Ambyar」現象を生んだ。
チャールダーシュ
ハンガリーの2拍子加速舞踏曲。
ツァピキ
1970-80年代マダガスカル南西部トリアラで生まれた、葬送儀礼のリズムを電化した高速ダンス音楽。
テクノブレガ
ベレン発、アパレラージェンのDIY経済が生んだアマゾンのデジタル・ダンス。
デモティコ
ギリシャ各地の伝統民俗音楽。
トゥヴァ喉歌
ロシア連邦トゥヴァ共和国の喉歌伝統。モンゴルと近縁。
トレーラー音楽(シネマティック・エピック)
2005年以降、Two Steps From Hell(Bergersen + Phoenix)を中心に確立した、映画予告編に特化した B2B ライブラリー音楽産業の様式。90秒-3分の連続的な盛り上がり構造と大編成合唱を主軸に据える。
ドイナ
ルーマニアの自由拍即興抒情歌。
ドンダン・サヤン
マレーシア・マラッカ州のクリオール詩歌交歓伝統。
ナイジャ・ストリート・ホップ (Zanku)
2018年 Zlatan Ibile《Zanku Legwork》以降のラゴス発ストリート・アフロビート。Yoruba スラング+荒いドラム+踊りの動作(Zanku、Zazoo)先行の楽曲構造。Naira Marley、Poco Lee、Bella Shmurda、Portable が中心。
ヌエバ・カンシオン・ラテンアメリカーナ
1960-80年代に大陸を横断した政治的歌謡運動。ビオレータ・パラからシルビオ・ロドリゲスまで。
ヌビア音楽
ナイル川上流の古代ヌビア人(現エジプト・スーダン国境地帯)に伝わる、独特のヌビア語旋律と五音音階を保持する民族音楽。
ネパール民謡
ネパール各地の民族・地域多様な民謡群で、ニューワール、タマン、グルン、シェルパなど異なる民族が独自の音階・楽器・リズムを保持している。
ハカ
マオリの戦士的踊り歌。集団で力強く演じる詠唱舞踊。
ハット・ヴァン
ベトナムの母神信仰トランス儀礼で歌われる祭祀音楽。
ハリウッド黄金期映画音楽
1930-60年代、ウィーンから亡命した後期ロマン主義作曲家たちがハリウッドのスタジオ音楽部で定式化した、大編成×ライトモチーフの映画スコア様式。
ハリージー音楽
アラビア湾岸諸国(クウェート・バーレーン・サウジ東部・カタール・UAE)の海洋都市文化に育った、ペルシア・アフリカ・アラブが交差する独自の音楽群。
ハワイアン・ファルセット
ハワイ独特の高音裏声歌唱。男性歌手の伝統。
ハーディングフェレ・スロット
ノルウェーの共鳴弦付フィドルによる舞踏曲。
バイアォン
ブラジル北東部セルタオン(乾燥内陸)の農民音楽が、ルイス・ゴンザーガによって1940年代に都市化されたフォロー(フォホー)系ジャンルの中核。
バイラ
スリランカの民俗ポップ。ポルトガル系を起源に持つ陽気な踊り歌。
バティアリ
ベンガル河川地帯の船頭が歌う、長く流れるような舟歌。
バルカンブラス
バルカン半島(セルビア・マケドニアなど)の祝祭で発達したブラスバンド音楽。
バンダリー
イラン・ペルシャ湾岸ホルモズガーン州の、アフロ・イラン系の儀礼と踊りが融合した高速ダンス歌謡。
バンダ・シナロエンセ
メキシコ北西部シナロア州の吹奏楽団形式で、トロンボーン・トランペット・スーザフォンを擁する大編成のバンダ音楽。
バンブーコ
コロンビア・アンデス山脈中部の国民舞踊で、ティプレ・ギターラ・バンドラ三重奏が奏でる抒情的6/8拍子の歌曲。
パギェッラ
コルシカ島の男声3部多声合唱。
ビクツィ(ベティ伝統)
カメルーン中部ベティ族の女性による6/8集団歌唱の伝統。1950-70年代にAnne-Marie Nziéが確立した歌謡形式。
ビクトゥシ
カメルーン中央部ベティ系民族の伝統舞踊から発展した、6/8リズムを軸にしたエレキギター中心の高速ダンス音楽。
ピッツィカ
プーリア・サレント地方のタランテッラ変種。
ピーブロック
スコットランド・ハイランドのバグパイプ音楽の最高峰で、複雑な変奏構造を持つ大曲形式。戦士や悼みの感情を表現する。
フェスト・ノーズ
ブルターニュの夜の集団舞踏祭。
フォーク
口承伝統に根ざした音楽および、20世紀の米国でその様式を採用したシンガーソングライター音楽。
フジ
ヨルバ・ムスリム社会のラマダン早朝歌ウェレから1960~70年代に発展した、太鼓中心の即興濃厚なナイジェリア大衆音楽。
フナナ
カーボベルデ・サンチャゴ島の農村で生まれ、独立後に解禁・電化された、アコーディオンと鉄棒で駆動するアフロ・カリブ的なダンス音楽。
ブィリーナ
ロシアの口承叙事詩唱。
ブルガリア女声合唱
ブルガリアの不協和的女声多声合唱。
プンムル
韓国の農村集団打楽器・舞踊芸能。
ベトナム現代伝統音楽
20世紀後半のベトナム(パリ・ディアスポラ+ハノイ/ホーチミン市)で、đàn tranh・đàn bầu・đàn nguyệt などの伝統楽器を西洋モダニズム的な書法で用いた現代芸術音楽。Nguyễn Thiện Đạo(Messiaen 門下)、Tôn Thất Tiết、Nguyễn Văn Nam、Vũ Nhật Tân が中心作曲家。
ベンガル現代歌謡
1930-70年代の西ベンガル(コルカタ)と東ベンガル/バングラデシュ(ダッカ)で発達した、Rabindra-Sangeet や Nazrul-Geeti とは別系統の作曲付きベンガル語現代芸術歌謡。Hemanta・Manna Dey・Sandhya Mukherjee がその頂点世代、1992年 Kabir Suman《Tomake Chai》がフォーク・アドゥニクの折衷を提示した。
ホタ
スペイン全土の3拍子舞踏歌。
ホーミー
モンゴルの喉歌。一人で同時に複数の音を出す倍音歌唱。
ポスト・セリー
1960年代以降、ダルムシュタットの厳格な総音列主義から離脱しつつその厳密さを継承した西洋前衛芸術音楽の総称。Ligeti のミクロポリフォニー、Penderecki の Sonorism、Lachenmann の器楽的具体音楽、Ferneyhough の New Complexity を包括する。
ポルカ
ボヘミア起源の急速2拍子舞踏。
ポワダー
マハーラーシュトラ州の英雄叙事詩を歌う民間芸能。
ポーランド・マズルカ(民俗)
ポーランド中央部の民俗3拍子舞踊で、マズルカのリズムと文化的背景。
マオリ・ワイアタ
ニュージーランド先住民マオリの歌の伝統。
マスカンダ
1930年代以降、南アフリカのズールー系鉱山労働者が持ち歩いたギター一本の自作自演歌謡。
マラベンタ
1950年代モザンビーク・マプトの郊外で生まれた、廉価ギターと太鼓を中心とした底抜けに踊れる都市音楽。
マリネラ
ペルー国民舞踊で、アフリカ系・先住民・スペイン系のリズムが融合した、ハンカチを振って踊る求愛舞踊。
マリンバ・グアテマルテカ
グアテマラ国民楽器マリンバ(木琴)を中心とした、先住民マヤ系・スペイン系・アフロ系が交差する古典・大衆ジャンル。
マロヤ
レユニオン島の奴隷子孫が3拍子の打楽器で歌い継いだ抵抗の音楽。UNESCO無形文化遺産(2009)。
マンデ・グリオ伝統
西アフリカ・マンデ系社会で千年以上受け継がれる世襲口承詩人ジェリ(グリオ)による系譜・歴史叙述音楽。
ムニェイラ
ガリシアの6/8拍子舞踏音楽。
ムバカンガ
アパルトヘイト下の南アフリカ・タウンシップで1960年代に成立した、ズールー系の合唱とジャズ・ベースが交わる電化ダンス音楽。
ムブベ
1939年ソロモン・リンダの録音で成立した、力強い無伴奏ズールー男声合唱。「ライオンは寝ている」の原曲。
メズーエド
チュニジアのバグパイプ「メズーエド」を主役にした、農村起源の民衆ダンス音楽。
メレ
ハワイ先住民の詠唱伝統。神々と土地と祖先を歌う神聖な歌。
メント
20世紀前半ジャマイカで成立した、アコースティック編成の田舎的アフロ・カリブ歌謡で、レゲエに先立つジャマイカ・ポピュラー音楽の祖。
モダニスト・オペラ
20世紀以降のオペラハウスが前衛作曲語法を上演し続けた制度的な受け皿。Berg《ヴォツェック》(1925)からSaariaho《Innocence》(2018)まで、大劇場が無調・十二音・音響作曲・ポスト・スペクトルを定期会員向け上演で消化してきた。
モルナ
カーボベルデの郷愁的な歌曲で、奴隷貿易の集積港の歴史を背負い、移民とソダーデ(郷愁)を歌う国民的ジャンル。
モロッコ・シャアビ
「人民の」を意味するシャアビは、モロッコの市場・結婚式・路上で歌われる都市民衆音楽の総称で、アラビア方言ダリージャの口語詩と即興演奏が中心をなす。
モーリタニア・イガウィン
モーリタニアのムーア人社会に伝わる世襲音楽家階級イガウィンが担う、アラブ・ベルベル・サヘルが融合した宮廷音楽。
ヨイク
サーミ民族の伝統的歌唱。
ヨルング・マニカイ
北部アーネムランドのヨルング諸族が数万年継承する氏族の歌。イディジェリドゥとクラップスティックによる儀礼歌。
ラカラカ
トンガ王国の国民的舞踊歌で、男女が交互に舞台に立ち、見事に統一された動きと多層的なコーラス・ハーモニーを展開する。
ラフバニ流派
1955-1990、アーシー・ラフバニとマンスール・ラフバニ兄弟がフェイルーズを主唱者に据え、エジプト古典タラブ・アンダルシア詩・レバノン山岳民俗・西洋弦楽オーケストラを統合した汎アラブ芸術歌謡。Baalbeck 国際芸術祭が制度基盤。
ランガム・ジャワ
1930年代以降、クロンチョンの弦楽編成にジャワ・ガムランの五音音階と声楽を接いだ、遅く瞑想的なジャワ大衆歌謡。Waldjinah が国民歌唱者。
ラージャスターン民謡
ラージャスターン砂漠地帯のマンガニヤール・ランガが伝える民謡。
ラーヴァニー
マハーラーシュトラ州の力強い女性舞踊歌で、打楽器ダフとともに演じる官能的・批評的な歌詞と激しいステップが特徴。
リームル
アイスランドの叙事詩朗唱。
ルーノ歌唱
カレワラ詩律のフィンランド古詩歌唱。
レベティコ
20世紀前半のギリシャで都市の下層民の中から成立した歌謡。
ロマ音楽
ヨーロッパ全域のロマ民族の音楽伝統。
ロンダリャ
フィリピンの民族音楽で、スペイン植民地時代に導入されたマンドリン族やルート系の小型撥弦楽器を編成したアンサンブル。
ワスル
マリ南部ワスル地方の女性歌手たちが牽引する、狩人歌と憑依儀礼に由来するモダンな民族音楽。
ヴァンデルヴァイザー
1992年、Antoine Beuger と Burkhard Schlothauer が Edition Wandelweiser を創設して以来続く、ポスト・ケージ/ポスト・フェルドマンの極端な沈黙と長時間持続を主題とする作曲家共同体。Michael Pisaro・Manfred Werder・Jürg Frey・Radu Malfatti らが中心メンバー。
ヴェルブンコシュ
ハンガリー徴兵舞踏音楽。
中国民族管弦楽
劉天華の二胡改革(1920年代)を起点に、彭修文が1953年以降制度化した、中国伝統楽器による西洋管弦楽的アンサンブル。
二人転
中国東北地方の、男女二人による歌唱・話芸・舞踊総合芸能。
創作国楽
1960年代以降の韓国で、伽倻琴・거문고・대금のための現代作曲。황병기《침향무》(1974)が原点、정재일が現在の伝達者。
嗩吶吹打楽
嗩吶(チャルメラ)を中心とする中国の祝祭・葬礼吹奏楽。
奄美島唄
鹿児島県奄美群島に伝わる民謡。裏声(ファルセット)を多用した高音の歌唱と、三線の刻みが特徴。本土の民謡とも沖縄音楽とも異なる、奄美固有の音世界を持つ。
客家山歌
中国南部・台湾に広がる客家民系の山歌。
小唄
幕末期(1850年代)に成立した日本の小型三味線歌曲で、爪弾き奏法を特徴とする極小形式の古典邦楽。
山歌
中国山岳・農村地域で歌われる労働・恋愛の即興歌。
島唄(奄美)
奄美群島の裏声(グイン)を多用する高音民謡。琉球と大和の間の独自音階を持つ。
新日本音楽
1920年代に宮城道雄が主導した、和楽器で書く新しい芸術音楽の運動。江戸の家元制の外側で「作品」としての邦楽を作った。
歌い手・歌ってみた
2007年の初音ミク登場以降、ニコニコ動画で他人のボカロ曲を『歌ってみた』として自分の声で歌唱・投稿することを職能化した匿名/半匿名の歌手集団。Ado・yama・まふまふ・Reol が2020年代 J-Pop 主流に接続した。
民謡
日本各地で歌い継がれてきた地域固有の伝統的民衆歌謡。
津軽三味線
青森津軽地方発祥の太棹三味線による激しい器楽芸能。
津軽民謡
青森県津軽地方の力強く即興性の高い民謡群。
浪花節
三味線伴奏で物語を語る、近代日本の語り物芸能。
現代ヌエボ・フラメンコ
2018年 Rosalía《El Mal Querer》以降のポスト・ロサリア期に立ち現れた、伝統派カンテを継承しつつ現代ポップ/ラップ/ジャズを折衷する若い世代のフラメンコ。Israel Fernández・Rocío Márquez・María José Llergo が代表格。
現代ワーシップミュージック
2000年代後半以降、Hillsong United・Bethel Music・Elevation Worship・Passion が確立したスタジアム規模の福音派プロテスタント現代ワーシップ音楽。Lauren Daigle が女性ソロ・スター。
現代芸術音楽化カッワーリー
1985年以降、ヌスラト・ファテ・アリ・ハーンがチシュティ儀礼カッワーリーをコンサートホール/国際レコード市場向けに芸術音楽化した潮流。Peter Gabriel の Real World Records が制度的な仲介役を務めた。
現代邦楽
1960年代以降、和楽器を全面的にモダニズム作曲語法の中で書き直した邦楽の現代化。三木稔・武満徹が両輪。
琉球民謡
沖縄本島・先島諸島の伝統的民謡。三線と独特の音階を持つ。
琵琶楽
琵琶を伴奏に物語を語る日本の語り物音楽の総称。
端唄
江戸後期に成立した、短く軽妙な三味線歌曲。
第二次ウィーン楽派
1903-1935のウィーンで、Arnold Schoenberg を師に Alban Berg と Anton Webern が形成した作曲家共同体。無調(1908)から十二音技法(1923)への転回の実質的な現場。
苗族音楽
中国南部・東南アジアの苗族(モン族)が継承する歌と笙の音楽。
長唄
歌舞伎舞踊の伴奏として発展した三味線音楽の代表的様式。
阿波踊り
徳島の盆踊り。二拍子の囃子に乗せた群舞。
韓国民謡
韓国各地の伝統的民衆歌謡。地域別に音階・節が異なる。
馬頭琴
モンゴル民族楽器の二弦擦弦楽器。馬の頭の彫刻を特徴とする。
