ヌビア音楽
ナイル川上流の古代ヌビア人(現エジプト・スーダン国境地帯)に伝わる、独特のヌビア語旋律と五音音階を保持する民族音楽。
まずはここから
ひとことで言うとナイル川上流の古代ヌビア人(現エジプト・スーダン国境地帯)に伝わる、独特のヌビア語旋律と五音音階を保持する民族音楽。
まずはこの曲からHamza El Din — Escalay ▶ YouTube
代表的な人Hamza El Din
どんな音か
ヌビア語の歌詞が特徴で、メロディには五音音階(ペンタトニック)の傾向が見られる。テンポは中速から遅く、ロマンティックな雰囲気が支配的。楽器は 'oud(ウード)、パーカッション、ときどきホルンなど中東音楽の標準的なものが使われるが、ヌビア独特の音色をしている。ボーカルは民族的で、音程のゆらぎが表現力の中核。スタジオ録音では、この独特の民族的響きが最大限に活かされる。
聴きどころ
ヌビア語の独特な音韻と、その歌い方。五音音階が作り出す旋法的な雰囲気。ボーカルの音程のゆらぎと、その表現的意味。ウードなどの楽器の音色。古代ヌビアと現代が共存する音楽的質感。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Hamza El Din
- Mohamed Mounir
代表曲
Hamza El Din — Escalay (1971)
Mohamed Mounir — Allemny Ya Mounir (1981)
生まれた背景
ヌビアはナイル川上流の古代帝国で、その音楽伝統は数千年の深さを持つ。イスラム化後も、ヌビア語の歌唱伝統は保持され、特にエジプト・スーダン国境地帯で継続している。
続きを読む
20 世紀には、アスワンハイダムの建設によるヌビア人の強制移住が起こり、その結果、ヌビア文化はさらに危機に瀕した。しかし同時に、ヌビア音楽への文化的自覚が高まり、国際的な保護対象となった。
音楽的特徴の詳細
楽器タール、リク、シミシヤ、ウード、声
リズム五音音階、4/4と6/8の交替、ヌビア語
発展
1970年代以降、ハムザ・エル・ディン(ウード奏者)が国際舞台に登場し、グレイトフル・デッドや実験音楽家とも交流した。続くアリ・ハッサン・クバン、モハメド・ムーニル(エジプト国民的ヌビア人歌手)が大衆化を進め、世界音楽の文脈で重要な位置を占めるようになった。
出来事
- 1964: アスワン・ハイダム着工で水没開始
- 1971: ハムザ・エル・ディン国際デビュー
- 1977: モハメド・ムーニル『アラブ・カル・サナ』
- 2010: ヌビア語復興運動
派生・影響
アラブ・タラブ、エチオピアの音階、アフロ・ファンク、ハミルトン・ジャズ・フュージョンと交差。
日本との関係
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
ヌビア音楽が好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
関連ジャンルを探す
- 伝統・民族フラメンコ・トケ
- 伝統・民族フラメンコ・バイレ
- 伝統・民族フラメンコ・カンテ
- 古典オペラ・ブッファ
- 宗教・霊歌セマ(メヴレヴィー旋舞)
- 宗教・霊歌アザーン(礼拝の呼び声)
- ヒップホップ・R&Bミズラヒ・トラップ
- ポップアッシリア・ポップ
