ヌビア音楽
ナイル川上流の古代ヌビア人(現エジプト・スーダン国境地帯)に伝わる、独特のヌビア語旋律と五音音階を保持する民族音楽。
どんな音か
ヌビア語の歌詞が特徴で、メロディには五音音階(ペンタトニック)の傾向が見られる。テンポは中速から遅く、ロマンティックな雰囲気が支配的。楽器は 'oud(ウード)、パーカッション、ときどきホルンなど中東音楽の標準的なものが使われるが、ヌビア独特の音色をしている。ボーカルは民族的で、音程のゆらぎが表現力の中核。スタジオ録音では、この独特の民族的響きが最大限に活かされる。
生まれた背景
聴きどころ
ヌビア語の独特な音韻と、その歌い方。五音音階が作り出す旋法的な雰囲気。ボーカルの音程のゆらぎと、その表現的意味。ウードなどの楽器の音色。古代ヌビアと現代が共存する音楽的質感。
発展
1970年代以降、ハムザ・エル・ディン(ウード奏者)が国際舞台に登場し、グレイトフル・デッドや実験音楽家とも交流した。続くアリ・ハッサン・クバン、モハメド・ムーニル(エジプト国民的ヌビア人歌手)が大衆化を進め、世界音楽の文脈で重要な位置を占めるようになった。
出来事
- 1964: アスワン・ハイダム着工で水没開始
- 1971: ハムザ・エル・ディン国際デビュー
- 1977: モハメド・ムーニル『アラブ・カル・サナ』
- 2010: ヌビア語復興運動
派生・影響
アラブ・タラブ、エチオピアの音階、アフロ・ファンク、ハミルトン・ジャズ・フュージョンと交差。
音楽的特徴
楽器タール、リク、シミシヤ、ウード、声
リズム五音音階、4/4と6/8の交替、ヌビア語
代表アーティスト
- Hamza El Din
- Mohamed Mounir
代表曲
- Escalay — Hamza El Din (1971)
Allemny Ya Mounir — Mohamed Mounir (1981)
