伝統・民族

シー・シャンティ

Sea Shanty

イギリス・アメリカ / 西ヨーロッパ · 1830年〜

別名: Chanty

帆船時代の船員労働歌。

どんな音か

複数のボーカリストが、リズミカルなコーラスを組むことで、労働の共時性を強調する。拍子は 2/4 もしくは 4/4 で、テンポは中速。個々のボーカリストが歌詞をリードし、グループがそれに応答する『リード・アンド・レスポンス』の形式が基本。楽器はほぼ使われず、純粋に人間の声による。歌詞は英語で、海、船、労働、恋愛など、船乗りたちの生活に関連するテーマ。スタジオ録音は少なく、民族学的な記録としての性質が強い。

生まれた背景

シー・シャンティは帆船時代(17〜19 世紀)の船員たちの労働歌で、その起源はイギリス。複雑な索作業を多人数で同期させるために、リズミカルな歌が不可欠であった。船乗りたちはしばしば異なる国籍・言語の出身者が混在していたため、シー・シャンティは国際的な言語となった。20 世紀初頭から、民族学者や音楽愛好家がシー・シャンティを記録し始め、その後、フォークミュージック・ルネッサンスの中で再発見された。

聴きどころ

複数のボーカリストのコーラスの統一感。リード・ボーカルの表現力。労働のリズムと歌詞の関係。各地でのバリエーション。録音条件による音質の違い。

発展

20世紀のフォーク復興期に再発見され、Stan Hugillの編纂で楽譜化された。2020年TikTok発「Wellerman」拡散で世界的再ブームを迎えた。現在は祭典や合唱団で演奏される。

出来事

  • 1830s: クリッパー船時代に体系化
  • 1961: Stan Hugill『Shanties from the Seven Seas』刊行
  • 2021: 「Wellerman」TikTok大流行

派生・影響

Folk Revivalや現代Sea Shanty Choirの基盤。

音楽的特徴

楽器声(無伴奏)、コンサーティーナ、フィドル

リズム労働動作に合わせたコール&レスポンス、4/4

代表アーティスト

  • Stan Hugillイギリス · 1922年〜1992
  • Ewan MacCollスコットランド · 1932年〜1989

代表曲

日本との関係

シー・シャンティ日本で知られるようになったのは、フォーク音楽への関心が高まった 1960〜1970 年代から。しかし、その後の流行はなく、むしろ海洋史や労働史の文脈で参照されることが多い。最近では、TikTok などのソーシャルメディアで『Wellerman』が流行し、新しい世代にも知られるようになった。

初めて聴くなら

Ewan MacColl のコレクション『Wellerman』。シー・シャンティの代表的な一曲で、複数のボーカリストのコーラスが明確。昼間に、労働の一体感を感じるような雰囲気で聴く。より素朴な記録として『Drunken Sailor』も聴く価値がある。Stan Hugill による記録が参照されることもある。

豆知識

『Wellerman』はニュージーランドの捕鯨産業の風景を歌った曲で、『Weller Brothers』という会社の製品の配給トラックを指す歌詞が含まれている。TikTok での流行により、シー・シャンティへの関心が急速に高まり、2020 年代には『シー・シャンティ Renaissance』と呼ばれる現象が起きた。

影響・派生で結ばれたジャンル

シー・シャンティを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

シー・シャンティ の系譜全体図(多段)を見る

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