伝統・民族

ホタ

Jota

アラゴン / スペイン / 南欧 · 1700年〜

スペイン全土の3拍子舞踏歌。

どんな音か

3/4拍子の快活なリズムが特徴。基本テンポは中速で、手足の拍子がはっきり聞こえることが多い。ギター、マンドリン、ハープのような弦楽器が伴奏を担い、その上にボーカルが乗る。リズムは直線的で、予測可能性が高く、踊り手が動きやすい形式。歌詞はスペイン語で、愛、田舎生活、民族的プライドなど多様なテーマを扱う。スタジオ録音では、スペイン的な民族音楽の格調が保たれることが多い。

生まれた背景

ホタスペイン全土に分布する3拍子舞踏歌で、特にアラゴン地方が起源地として知られている。18世紀には既に定型化しており、その後スペイン内戦やフランコ独裁政権下でも文化的価値が保持された。20世紀後半の地域主義の復活とともに、ホタは地域アイデンティティの表現手段として重新評価された。

聴きどころ

3/4拍子のリズムの正確性と快活さ。弦楽器の伴奏パターンと、ボーカルの相互作用。歌詞とメロディの一致。踊りたくなるようなリズム感。地域バリエーション間の微妙な違い。

発展

19世紀に劇場サルスエラに採用され全国普及。GlinkaやFalla、Liszt等外国作曲家も主題引用した。Pilar BayonaやJoaquín Rodrigoの編曲で芸術音楽化された。

出来事

  • 1845: Glinka『アラゴンのホタ』
  • 1907: Falla『七つのスペイン民謡』
  • 1939: 戦後民俗舞踏団普及

派生・影響

サルスエラ、メキシコ・ホタ、ペルー・トンディーロへの伝播。

音楽的特徴

楽器ギター、バンドゥリア、ラウド、カスタネット、声

リズム3/4または3/8、明快なアクセント

代表アーティスト

  • Jota Aragonesa Groupスペイン · 1980年〜
  • Kepa Junkeraスペイン(バスク) · 1986年〜

代表曲

日本との関係

ホタ日本で大きな流行になることはなかったが、スペイン文化への関心が高い層には知られている。フラメンコなどのスペイン民族音楽に比べると、認知度は限定的。しかし、3拍子のリズムの親しみやすさと、快活な雰囲気は、初心者にもアクセスしやすい特性を持つ。

初めて聴くなら

Kepa Junkera『Bilbao 00:00 h』(1998)。バスク地方の音楽家による、ホタの現代的解釈。明るく、踊りたくなるようなテンポ。より伝統的なアプローチなら、Jota Aragonesa Group の演奏。アラゴン地方の伝統的なホタが味わえる。

豆知識

ホタは地域ごとに微妙に異なり、『ホタ・アラゴネーサ』『ホタ・ナバラ』『ホタ・バレンシアーナ』などと細分化される。各地域のホタは、その地の方言や音階の特徴を反映している。スペイン的な民族主義の時代には、ホタは国家のアイデンティティを表現する音楽として機能した。

同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

スペイン · 1700年前後 (±25年)

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