アズマリ
エチオピア高原の世襲的吟遊詩人アズマリが、マシンコ(一弦擦弦)とクラール(琴)で即興的に風刺・恋愛・歴史を歌う伝統。
まずはここから
ひとことで言うとエチオピア高原の世襲的吟遊詩人アズマリが、マシンコ(一弦擦弦)とクラール(琴)で即興的に風刺・恋愛・歴史を歌う伝統。
まずはこの曲からAsnaketch Worku — Tezeta ▶ YouTube
代表的な人Asnaketch Worku
どんな音か
聴きどころ
Asnaketch Workuの「Tezeta」(1972年)を聴くなら、まずマシンコの弓の動きが作る鋭い倍音に慣れることから始める。次に声の装飾——一つの音の周りをくるくると回るような細かいビブラートと滑降を追う。「テゼタ」とはアムハラ語で「郷愁」「遠い記憶」を意味し、エチオピア音楽の重要な情緒の一つ。歌詞の内容を追えなくても、声質から届いてくるものがある。
初めて聴くなら
代表アーティスト
- Asnaketch Worku
代表曲
- Asnaketch Worku — Tezeta (1972)
生まれた背景
音楽的特徴の詳細
楽器マシンコ、クラール、ケベロ太鼓、声
リズムキニット5モード、即興風刺、3/4と6/8の交替
発展
1960~70年代の都市化でアディスアベバのアズマリ・ベットが観光化し、世俗的なナイトクラブのエンタテインメントへ転じた。1990年代以降、伝統演奏家アスナケッチ・ウォルクや、フィキミマリャム・ゲブルー、若手のテレフェ・テスファイがエチオ・ジャズや現代コンテンポラリーと交差した。
出来事
- 1855: 皇帝テオドロス2世期、宮廷に複数のアズマリ
- 1974: 帝政崩壊・デルグ革命でアズマリ・ベットの一部閉鎖
- 2000: フィキミマリャム・ゲブルー欧州初公演
- 2018: アディス・アベバでアズマリ復興運動
派生・影響
エチオ・ジャズ(ムラトゥ・アスタトゥケのキニット利用)、エチオピア正教会音楽、現代エチオ・ポップに影響。
日本との関係
豆知識
「テゼタ」はエチオピア音楽の特定のモード(音楽的な音の組み方)でもあり、郷愁の感情と音の構造が同じ言葉で呼ばれるという珍しい例だ。西洋音楽でいえば「短調」が「悲しみ」と完全に同一視されているようなものに近い。
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
アズマリが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
