伝統・民族

ビクトゥシ

Bikutsi

カメルーン / 中部アフリカ · 1980年〜

カメルーン中央部ベティ系民族の伝統舞踊から発展した、6/8リズムを軸にしたエレキギター中心の高速ダンス音楽。

どんな音か

ビクトゥシは、カメルーン中央部のベティ系伝統舞踊から発展した高速ダンス音楽。6/8系のリズムが細かく跳ね、エレキギターは打楽器のように鋭く刻む。Les Têtes Brûléesの音は荒く、ギターのフレーズが身体をせき立て、歌とコーラスが熱い踊りの輪を作る。

生まれた背景

もともとはベティ系女性の踊りや儀礼に関わる音楽だったが、1980年代に電化され、都市のダンス音楽として広まった。Les Têtes Brûléesは顔を白く塗った強烈なビジュアルと、伝統リズムをロック的に電化した演奏で国際的にも知られた。

聴きどころ

6/8の跳ねを頭で数えるより、ギターの刻みと足の動きを感じるとよい。低音よりも中高域のギターがリズムを作り、打楽器と一体になる。曲が速くなるほど、旋律よりリズムの網に身体が入っていく。

発展

1990年代にはアン・マリー・ンジエやKタイノ、ロイズ・ベベがそれぞれ路線を提示し、マコッサと並ぶカメルーン国民音楽となった。2000年以降はクペ・デカレやンドンボロとの混淆が進む。

出来事

  • 1987: レ・テット・ブリュレ『Hot Heads』
  • 1990s: アン・マリー・ンジエ全盛期
  • 2000s: ビクトゥシ・ヒップホップ登場

派生・影響

マコッサ、ンドンボロ、クペ・デカレと交差し、現代カメルーン・ヒップホップの素材源にもなる。

音楽的特徴

楽器エレキギター、ベース、ドラム、バラフォン、声

リズム高速6/8、強いダウンビート、コール&レスポンス

代表アーティスト

  • Les Têtes Brûléesカメルーン · 1985年〜

代表曲

日本との関係

日本ではカメルーン音楽としてはかなり専門的だが、ワールドミュージック・ブーム期にLes Têtes Brûléesが紹介された。アフリカン・ロックや高速ギター音楽に関心がある人には入りやすい。マコッサとは違う、より乾いたリズムの強さがある。

初めて聴くなら

入口は「Hot Heads — Les Têtes Brûlées (1987)」。バンドの勢いとビクトゥシの電化感が分かる。伝統リズムの鋭さは「Mbe Ke Loi Lon — Les Têtes Brûlées (1987)」。さらに濃いダンス感は「ビクトゥシ Power — Les Têtes Brûlées (1992)」がよい。

豆知識

ビクトゥシは大地を叩く、足で踏むというニュアンスを持つ言葉とされる。音を聴くだけでなく、足の動きと結びつけると、ギターがなぜあれほど打楽器的に鳴るのかが分かる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代1980年代ビクトゥシビクトゥシマコッサマコッサ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ビクトゥシを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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