二人転
中国東北地方の、男女二人による歌唱・話芸・舞踊総合芸能。
どんな音か
男女2人(または1人が両役を演じる)が向かい合い、歌と掛け合いの台詞と踊りを組み合わせながら演じる。歌はテンポが速く音域が広く、転調を繰り返し、声は張り上げるよりも「叫ぶ」に近い勢いが特徴だ。演奏は揚琴・二胡・三弦などの弦楽器にトラタ(大型シンバル)が加わり、コメディの「ツッコミ」部分では打楽器がアクセントを入れる。手に持った団扇や絹のハンカチを使う小道具の扱いも演技の見せ場で、動きの大きな振り付けと組み合わさる。方言の言い回しやアドリブが多く、その場の観客に合わせて内容が変わることも多い。
生まれた背景
聴きどころ
「小拜年」(趙本山、1990)は新年の挨拶をテーマにした明るい演目で、掛け合いのテンポと歌の旋律の速度がどれだけ近いか——境界が消えるような瞬間——に耳を向けると二人転の特徴がつかめる。録音は映像と合わせて観るほうが面白く、身体の動きとリズムの関係が一目でわかる。
発展
1990年代から趙本山が二人転を全国区の人気芸に押し上げ、東北の劉老根大舞台などの定常興行が成功した。CCTV春節晩会の常連となり、商業化と批評の両面で議論を呼んでいる。
出来事
- 1850年頃: 秧歌・蓮花落の融合で成立。
- 1949年: 国営劇団化。
- 1990年代: 趙本山による全国化。
- 2003年: 劉老根大舞台開業。
- 2006年: 国家級無形文化遺産指定。
派生・影響
東北系コメディ・小品劇・趙家班一門芸能を生み、中国農村出身芸能人の登竜門となった。
音楽的特徴
楽器板胡、嗩吶、揚琴、太鼓、鉦、声
リズム秧歌調、男女問答、滑稽即興と舞の組み合わせ
代表アーティスト
- 趙本山
代表曲
小拜年 — 趙本山 (1990)
日本との関係
初めて聴くなら
趙本山の春節晩会の映像をYouTubeで検索して観るのが最初の入口として実用的だ。中国語がわからなくても身体の動きと掛け合いのテンポで笑いのタイミングがわかる。「小拜年」は比較的シンプルな構成で、二人転の骨格が把握しやすい。
