伝統・民族

ポルカ

Polka

ボヘミア / チェコ / 東ヨーロッパ · 1830年〜

ボヘミア起源の急速2拍子舞踏。

どんな音か

急速 2/4 拍子が特徴で、テンポは毎分 140〜160。主要楽器はアコーディオン、ときどきホルン、クラリネット。弦楽器(ベース、ヴァイオリン)も加わることがあるが、アコーディオンが明確に主役。リズムは直線的で、予測可能性が高く、踊り手が飛び跳ねたくなるようなエネルギー。ボーカルが加わることもあるが、インストルメンタルが中心。音質は素朴で、ライブパフォーマンスの興奮を最優先。

生まれた背景

ポルカはボヘミア(現チェコ)の 19 世紀に発祥し、その後ヨーロッパ全域に広がった最も成功した民族舞踏。プラハのダンスホールで 1830 年代に発生し、1840 年代にはウィーンに伝わり、ヨーロッパの中産階級の間で爆発的に流行した。アメリカ合衆国に移民したボヘミア系やポーランド系の人々によってアメリカ合衆国にも導入され、特に中西部で根付いた。

聴きどころ

アコーディオンの技巧と音色。急速テンポの中での正確性。リズムセクション(ベース、ドラム)の精密さ。複数楽器のアンサンブルにおける各パートの役割。踊り心をくすぐるリズム感。地域バリエーション間の微妙な違い。

発展

Smetana、Dvořákが芸術音楽に取り入れた。アメリカ移民圏ではドイツ系・チェコ系・スロベニア系がそれぞれ発展させ「ポルカ・ベルト」を形成。フランキー・ヤンコヴィッチが米国Polka普及の柱。

出来事

  • 1834: ボヘミアで記録
  • 1840: パリ初演
  • 1844: ロンドン社交界爆発
  • 1986: Grammy Polka部門設置

派生・影響

オバーポルカ、Tex-Mex、Norteño、Mexican Banda、ZydecoのCajun。

音楽的特徴

楽器アコーディオン、ブラスバンド、フィドル、トランペット

リズム2/4の跳ね、明快なオフビート

代表アーティスト

  • Jaromír Vejvodaチェコ · 1929年〜1988
  • Frankie Yankovicアメリカ · 1938年〜1998

代表曲

日本との関係

ポルカ日本で大きな流行になることはなかったが、オーケストラやバンド・ミュージックの教材としては知られている。Frankie Yankovic のような、アメリカ合衆国で活動したポルカ・アーティストのレコードは、限定的に日本にも輸入された。しかし、日本の音楽教育の中での位置づけは確立されず、『ヨーロッパの民族舞踏』としての参照に留まることが多い。

初めて聴くなら

Jaromír Vejvoda『Beer Barrel ポルカ』(1934)。ポルカの最も有名で親しみやすい曲。アコーディオンの快活さと、リズムの弾力性が余すところなく表現されている。より Americana 的なアプローチなら、Frankie Yankovic『Pennsylvania ポルカ』(1942)。アメリカ合衆国中西部でのポルカ文化が聞こえる。

豆知識

Jaromír Vejvoda『Beer Barrel ポルカ』は、チェコのレストランで女性ウェイターをなだめるために即興的に作曲されたもので、その後アメリカ合衆国で録音され、世界的に有名になった。Frankie Yankovic はポーランドアメリカ合衆国人で、『ポルカ王』と呼ばれ、アメリカ合衆国中西部の移民コミュニティにおけるポルカ文化を象徴する人物。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1600年代1700年代1830年代ポルカポルカポーランド・マズルカ(民俗)ポーランド・マズルカ(民俗)チェコ伝統音楽チェコ伝統音楽凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ポルカを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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