伝統・民族

ガムラン

Gamelan

インドネシア / 東南アジア · 800年〜

ジャワ・バリの青銅打楽器を中心とするインドネシアの宮廷・儀礼アンサンブル音楽。

どんな音か

インドネシア・ジャワ島・バリ島の伝統打楽器合奏。20〜30人の奏者が、青銅のゴング、メタロフォン(金属鍵盤)、ケンダン(両面太鼓)、ルバブ(擦弦楽器)、スリン(竹笛)、男女合唱で演奏する。BPM・編成・調律体系は「スレンドロ(5音音階)」「ペロッグ(7音音階)」の2種類が中心で、西洋音階と異なる独自の調律。曲尺は5〜30分、循環構造(同じパターンを繰り返しながら徐々に変化)が骨格。録音は野外の長い残響を活かす。

生まれた背景

8〜9世紀のジャワ島で、ヒンドゥー・仏教文化の中で発展した宮廷音楽。13世紀以降、王宮(クラトン)の儀礼音楽として体系化された。1920〜30年代に欧米の作曲家(クロード・ドビュッシー、ジョン・ケージ、スティーヴ・ライヒ)が万博・万国博覧会でガムランを聴き、深い影響を受けた。1950〜60年代以降、インドネシア政府が国民音楽として保護し、世界各国の大学(アメリカ合衆国・欧州・日本)にガムラン・アンサンブルが設置された。バリ島では宗教儀礼と分離不能な形で継続している。

聴きどころ

ゴング(大きな青銅のドラ)の「ゴーン」という低音が、何小節かおきに鳴る周期構造。複数のメタロフォンが同じ旋律を異なる速度・装飾で重ねる「コロトミー」と呼ばれる多層構造。ケンダン(太鼓)が指揮者の役割を果たす。バリ・ガムランは速くて激しく、ジャワ・ガムランはゆっくりで瞑想的。

代表アーティスト

  • I Wayan Lotringインドネシア · 1920年〜1983
  • Lou Harrisonアメリカ合衆国 · 1937年〜2003
  • Ki Nartosabdhoインドネシア · 1945年〜1985

代表曲

日本との関係

東京藝大、武蔵野音大、京都市芸大、東京音大などにガムラン・アンサンブルが設置されている。2002年の愛知万博以降、日本でのガムラン演奏会も増加。京都の「マルガサリ」(1989年結成)が日本最古のガムラン団体。坂本龍一、灰野敬二、芳垣安洋らがガムランから直接の影響を受けた作品を残している。

初めて聴くなら

1枚だけ聴くなら、『Java: Court ガムラン』(Nonesuch Explorer Series、1971)。世界規模でガムランを広めた録音。バリなら、『Bali: ガムラン & ケチャ』(1990)。日本人なら、マルガサリ『マルガサリ・ライブ』。映画『闇の暴君』(1992、ピーター・ウィアー監督)のサウンドトラックも入りやすい。

豆知識

ドビュッシー『版画』(1903)の第1曲「塔」は、1889年のパリ万博で聴いたガムランから直接の影響を受けたとされる。スティーヴ・ライヒは1970〜71年にガーナで西アフリカ太鼓を学び、その後バリ・ガムランの構造に強い興味を持った。日本のNHK交響楽団は「東京の音」プロジェクトでガムランとオーケストラの共演を試みたことがある。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図800年代1300年代1500年代ガムランガムランジャワガムランジャワガムランバリガムランバリガムランスンダガムランスンダガムラン凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ガムランを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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