伝統・民族

ムバラ

Mbalax

セネガル / 西アフリカ · 1970年〜

セネガルで成立した、Sabarドラムを核とする民俗+現代的アフリカン音楽。

どんな音か

Sabar ドラム(セネガルの打楽器)の複雑な『off-beat』リズムが基盤で、その上にアコースティック・ギター、ホーン・セクション(トランペット・サックス)が乗る。テンポは中程度(100〜120 BPM 程度)、ダンス性と歌唱性が両立。ボーカルはフランス語またはウォロフ語で、各アーティストの歌唱表現が多彩。リズムは複雑だが『土着』の温かさと『近代』のホーン・サウンドが融和している。

生まれた背景

1970年代、セネガル・ダカルで Youssou N'Dour ら新世代のミュージシャンが、Sabar という伝統打楽器をジャズの影響下にあるホーン・セクションと組み合わせた。西アフリカの独立後のポップ・ムーヴメント、パン・アフリカニズムと、グローバル・ポップ化の地点で生成。1994年の『7 Seconds』では、ポップスの洗練さと民族音楽の根源性が完全に融和。

聴きどころ

Sabar ドラムの『オフビート』感覚を身体で掴むこと。メトロノーム的な四つ打ちではなく、一拍目が曖昧に揺らぐ。Youssou N'Dour『7 Seconds』(1994) では、ギターの『歩く』リズムと Sabar の『揺らぎ』の二層構造。ホーン・セクションは『装飾』ではなく『主役』として機能。

代表アーティスト

  • Orchestra Baobabセネガル · 1970年〜
  • Youssou N'Dourセネガル · 1972年〜
  • Baaba Maalセネガル · 1983年〜

代表曲

日本との関係

1990年代の 日本 放送 NHK ワールド・ミュージック・プログラムで流通。World Music としての『アフリカの声』というレッテルで日本リスナーに届いた。ただし大衆化は限定的。

初めて聴くなら

Youssou N'Dour『7 Seconds』(1994) はワールドヒット曲で、構成が明確。古い音を知るなら Orchestra Baobab『Utrus Horas』(1982)。

豆知識

ムバラ はウォロフ語で『火』『祭り』を指す。Youssou N'Dour は 1960 年代からの世代ではなく『post-independence generation』のアフリカ系アーティスト。セネガルはフランスの旧植民地で、フランス語が公用語だが、 mbalax の歌詞ではウォロフ語が使われることが多く、そのテンション自体が音に表現されている。

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