伝統・民族

バングラ

Bhangra

インド / 南アジア · 1950年〜

パンジャブ地方の収穫祭の民俗ダンス音楽。1980年代以降は英国でポップ化された。

どんな音か

インド・パキスタンのパンジャブ地方の収穫祭の踊り音楽。BPM 130〜150。ドール(両面太鼓を肩にかけ両手で叩く)、トゥンビ(1弦の高音楽器)、アルゴーザ(ペアの縦笛)、シンセ・ベース、ドラムマシン。歌は男性中心、力強い高音シャウトと「Balle Balle!(やったー!)」のような掛け声。歌詞はパンジャブ語、テーマは収穫、結婚、若者の元気、移民の郷愁。リズムは特徴的な「8拍子の中で4-2-2に分割するチャールタール」が骨格。

生まれた背景

数百年前からインド・パキスタンのパンジャブ地方の農村で4月の収穫祭(Vaisakhi)の踊りとして演じられてきた。1970〜80年代のイギリスバーミンガム・サウスオール周辺で、パンジャブ系移民第2世代(Alaap、Heera、Premi、Apna Sangeet)が伝統ドールにシンセサイザーとドラムマシンを加えた「ブリティッシュ・バングラ」を確立。1990年代にBally Sagoo、Apache インドnがイギリスチャートに進出。2000年代以降はPanjabi MC、Diljit Dosanjh、AP Dhillon、Karan Aujlaが世界的に成功。北米のパンジャブ系コミュニティでも独自に発展している。

聴きどころ

ドール(両面太鼓)の「ドゥッ・タッ・ドゥッ・タッ」と片面ずつ叩くパターン。トゥンビ(高音1弦楽器)の「ピンピンピン」というリフ。サビでの全員大合唱と「Balle Balle!」「Hoye Hoye!」の掛け声。ダンスでは肩を上下に動かし、両腕を上に伸ばすのが基本ポーズ。

音楽的特徴

楽器ドール(両面太鼓)、トゥンビー、声

代表アーティスト

  • Gurdas Maanインド · 1980年〜
  • Panjabi MCイギリス · 1993年〜
  • Daler Mehndiインド · 1995年〜

代表曲

日本との関係

2003年のPanjabi MC『Mundian To Bach Ke』(Knight Rider TVテーマをサンプル)が日本でもCMやクラブで多く使われ、認知のきっかけになった。日本インド系コミュニティ・イベント(東京・横浜のディワリ祭り)でバングラのパフォーマンスが見られる。

初めて聴くなら

クロスオーバー入門なら、Panjabi MC『Mundian To Bach Ke (Beware of the Boys)』(2002、Jay-Z版2003)。伝統寄りなら、Daler Mehndi『Bolo Tara Rara』(1995)。最近のものなら、Diljit Dosanjh『G.O.A.T.』(2020)、AP Dhillon『Brown Munde』(2020)。

豆知識

バングラ」はパンジャブ語で「麻(bhang)」が語源とされ、収穫祭で麻を吸って踊ったことに由来するという説がある(ただし諸説あり)。インド映画ボリウッドの1990年代以降のダンス曲は、ほぼすべてバングラのリズム文法を取り入れている。

影響・派生で結ばれたジャンル

バングラを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

バングラ の系譜全体図(多段)を見る

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