伝統・民族

スウェーデン・ポルスカ

Swedish Polska

スウェーデン / 北欧 · 1600年〜

スウェーデン伝統の3/4拍子舞踏曲で、ヴァイオリンやニッケルハルパで演奏される民族舞踊の音楽。

どんな音か

スウェーデン・ポルスカの音は、森の中での踊りそのものである。ヴァイオリンが主旋律を奏で、テンポはBPM100台後半から120台。3/4のワルツ的拍子ながら、楽器の『引きずり感』がポルスカを独特のものにしている。弦のビブラートや、不規則に聞こえる『シンコペーション』的なボウイングが、機械的でない人間的な躍動を生む。地方によって音色が異なり、ダーラナ(ダラカルリア)地方ではより速く激しく、スモーランド地方ではより叙情的で遅い。音の『呼吸感』が強く、各フレーズの間に『間』がある。

生まれた背景

ポルスカはスウェーデン民間伝統舞踊の一形式で、13〜14世紀ポーランドから伝わったとも言われ、その後スウェーデン各地で独自に発展した。農民の結婚式や季節行事での踊り歌として位置づけられ、各地域ごとに異なる楽器編成と拍子変化を発展させた。19世紀には『フォークロア復興運動』の中で採集・記録され、20世紀には北欧フォークミュージックの代表格として扱われるようになった。

聴きどころ

ヴァイオリンのボウイング技法の『呼吸感』。規則的なBPMに見えながら、実は『緩急』をどの程度つけているか。各フレーズの終末での音の『消え方』。地方ごとの音色差異(速度、楽器数、レジストレーション)。

発展

19世紀末に都市化で衰退するもZornスカウト調査で再評価。1933年Zornmärket(国家奏者称号)制度創設。1970年代Folkmusikvågen運動でNordmanら世代が再興した。

出来事

  • 16世紀: ポーランドから伝播
  • 1909: Anders Zorn奏者大会開始
  • 1933: Zornmärket制度
  • 1970s: Folkmusikvågen復興

派生・影響

Hambo舞踏、Nordic Fusionの基盤。

音楽的特徴

楽器ニッケルハルパ、フィドル、アコーディオン

リズム3/4で各拍長が不均等、Slängpolskaの跳ね

代表曲

日本との関係

スウェーデン・ポルスカはスカンジナビア音楽愛好者の間では一定の認知度があるが、日本の大衆文化ではほぼ言及されない。北欧文化への関心が近年上昇傾向にあり、これに伴ってスウェーデン民族音楽への関心も若干増加している。

初めて聴くなら

『Polska efter Byss-Calle』(ビッスカッレ後のポルスカ)。ビッスカッレは実在したスウェーデンの伝説的ヴァイオリン奏者で、この曲は彼のスタイルを模倣した作品。冬の静かな夜間に、北欧の静寂の中で聴くと、スウェーデン民族の心が伝わる。

豆知識

ニッケルハルパ(鍵盤型弓奏楽器)はスウェーデンでのみ使用され、スウェーデン音楽の音色を特徴づけている。ポルスカの『Polska efter 人名』という命名慣習は、各フォーク楽器奏者が自分の『署名曲』を残す文化を反映している。スウェーデンの各地域には『その土地独特のポルスカ』があり、音楽民族学者がカタログ化している。

影響・派生で結ばれたジャンル

スウェーデン・ポルスカを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

スウェーデン・ポルスカ の系譜全体図(多段)を見る

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