ノルテーニョ
メキシコ北部・米国南西部のメキシコ系コミュニティで19世紀末から生まれた、ボタン式アコーディオンとバホ・セスト(弦ベース)が核となる民族音楽。国境地域の人間たちの愛、別れ、苦労、移民の経験を歌う。
どんな音か
アコーディオンが奏でるキラキラとした、朗らかなメロディが中心。しかし全体はどこか素朴で、誰かの人生の物語を歌っている感じがする。バホ・セスト(弦ベース)がボンボンと響き、スピード感のあるリズムを支える。ボーカルは一人、複数人、時々ハーモニーと変わる。スペイン語で、恋愛、家族、苦労、国境を越える悲しみなどをテーマに歌われることが多い。1920年代からの録音を聴くと、音質は粗いが、その土地の人間たちが日々歌っていた音が直接聞こえてくる。
生まれた背景
聴きどころ
アコーディオンのフレーズの聴きどころ。特に同じメロディを何度も繰り返す中で、装飾音が変わったり、テンポが揺れたりする細かさ。バホ・セストのビート。シンプルなリズムなのに、やや遅れ気味に響くタイミングが作る「グルーヴ」。ボーカルの歌い方。スペイン語の歌詞が分からなくても、感情の起伏が声に乗る。複数曲聴くと、テーマの反復性(恋、別れ、苦労)に気づき、その土地の人間たちの人生の共通項が見えてくる。
発展
1940年代ナルシソ・マルティネスがアコーディオン奏法を確立し、1970~80年代ロス・ティグレス・デル・ノルテが世界的ノルテーニョ・スター・グループとなった。米国側でテハーノ・スーパースター、セレナ・キンタニーリャ(1995年暗殺)も派生した。
出来事
- 1936: ナルシソ・マルティネス初録音
- 1968: ロス・ティグレス・デル・ノルテ結成
- 1995: セレナ暗殺
- 2000: ナルコ・コリード論争
派生・影響
テハーノ、コリード、ナルコ・コリード、バンダ・シナロエンセに影響。
音楽的特徴
楽器ボタン式アコーディオン、バホ・セスト、ベース、ドラム、声
リズムポルカ2/4、ワルツ3/4、コリード物語、クンビア
代表アーティスト
- Los Tigres del Norte
- Selena Quintanilla
代表曲
- La Jaula de Oro — Los Tigres del Norte (1983)
- Como La Flor — Selena Quintanilla (1992)
