ゴーラレ音楽
ポーランド・タトラ山地高地民の音楽。
どんな音か
タトラ山地の高地民ゴーラレの音楽は、明るく、素朴でありながら技巧的な楽器の鳴らし方が特徴。弦楽器が主体で、アコーディオンやバイオリンが甲高く鳴り、その下では低音楽器がリズミカルに刻まれる。装飾音が多く、フレーズの端々で音が跳ね上がるような装飾が入る。ダンス音楽の性質が強く、聴いていると体が自然と揺れ動き始める。
生まれた背景
聴きどころ
弦楽器の装飾音の繊細さに注目。バイオリンの弓の使い方がゴーラレ・スタイルを大きく左右する。また、複数の楽器が同時に装飾音を入れる瞬間のポリフォニックな重なりも聴きどころ。リズムは一定に聞こえながら、実は常に微妙に揺らぐ。
発展
Karol Szymanowskiがバレエ『Harnasie』(1935)で芸術音楽化。1970年代以降の文化保護で世代継承が進む。Trebuniowieら一族が現代に継承する。
出来事
- 1935: Szymanowski『Harnasie』
- 1968: ザコパネ国際山岳民俗祭
- 1992: Trebuniowie国際進出
派生・影響
Slovakian Goralska、Karpaty山岳音楽との連続性。
音楽的特徴
楽器Złóbcoki(短弦フィドル)、フィドル合奏、バセトラ、声
リズムLydian上昇音階、Sabałowa nuta、急速ozwodna
代表アーティスト
- Trebunie-Tutki
代表曲
- Janosik — Trebunie-Tutki (1992)
日本との関係
初めて聴くなら
Trebunie-Tutki『Janosik』(1992年)は、伝統的なゴーラレの音楽を、現代的な録音で聴きやすくしたもの。ヤノシク(民族英雄盗賊)の伝説を題材にした楽曲で、ゴーラレ民族の心性がダイレクトに表現されている。朝の散歩中や、活動的なときに聴くのが合う。
豆知識
ゴーラレ文化は、20世紀のポーランド民族主義と結びつけられたため、ナチス占領下では弾圧された時期もあった。一方、共産主義時代には『人民文化』として再解釈され、国営フォルクロア団によって上演されていた。その過程で、伝統と現代性の緊張関係が音楽の形式に刻み込まれている。
