パギェッラ
コルシカ島の男声3部多声合唱。
どんな音か
三人の男性による無伴奏合唱。一人が低く、一人が中程度、一人が高く、三つの声が常に重ねられる。メロディは基本的に単純だが、各パートが独立した動きをするため、全体として複雑なハーモニーが生まれる。リズムは自由で、拍の明確性よりも声のニュアンスが優先される。宗教的な祈りのような雰囲気が支配的で、即座に祈りの場面を思い起こさせる。録音は多くの場合スタジオですが、そこでも教会のような残響を意図的に付与することがある。
聴きどころ
三つの声それぞれの音質。一つは常に基礎の低音を保ち、もう一つは中程度で装飾的に動き、三つめは高く伸びやかに。その三者の絆合いの正確性。ハーモニーの解決感。沈黙や間白の使い方。一見シンプルなメロディだが、複雑なポリフォニーが作り出す奥行き。
初めて聴くなら
A Filetta『Liturgia dei Morti』(1996)。濃厚な宗教的雰囲気の中で、三声の純粋さが際立つ。夜間の静寂の中で聴くことが強く推奨される。より民族音楽的なアプローチなら、I Muvrini『Erein eta Joan』(1996)。より現代的なプロデュースが施されているが、基本的な三声の構造は変わらない。
代表アーティスト
- A Filetta
- I Muvrini
代表曲
- I Muvrini — Erein eta Joan (1996)
- A Filetta — Liturgia dei Morti (1996)
生まれた背景
コルシカ島の民族文化を象徴する音楽で、その起源は中世に遡ると考えられているが、確実な記録は限定的。イタリア、フランス、スペインの各地から音楽的影響を受けており、地中海民族音楽の交差点としての特性を持つ。
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20世紀を通じて、コルシカの独立運動や民族意識の高まりとともに、パギェッラは『コルシカ人のアイデンティティ』として再発見・再評価された。
音楽的特徴の詳細
楽器声(無伴奏3人組)
リズム自由拍、メリスマ装飾、即興的フィオリトゥーラ
発展
1978年A Filettaらの世代が学術的復興を担う。Tavagna、I Muvriniらコルシカ独自音楽運動Riacquistuの中核に。2009年ユネスコ緊急保護無形文化遺産登録。
出来事
- 1973: Riacquistu運動開始
- 1978: A Filetta結成
- 2009: ユネスコ緊急保護リスト登録
派生・影響
Cantu a Tenoreと地中海多声合唱伝統で連帯。
日本との関係
豆知識
パギェッラは UNESCO の『人類の無形文化遺産』として登録されており、保護対象となっている。コルシカ島の言語・文化は、イタリアとフランスの双方の影響を受けており、パギェッラもその交差地点を表現している。
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近年、若い世代のコルシカ人がパギェッラを学ぶ機会が増えており、伝統の継続が意図的に行われている。
影響・派生で結ばれたジャンル
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感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
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