ウルドゥー・インディー
パキスタンのZ世代インディーポップ。Abdul Hannan、Hasan Raheem、Talal Qureshiらがbedroom-pop路線を確立。
どんな音か
ベッドルームで作られた音そのままに、ローファイなドラムマシン、軽く歪んだギター、淡いシンセパッドが重なる。テンポは70〜95BPMの中速域が中心で、ボーカルは囁くようなウルドゥー語と英語のコードスイッチ。歌詞は失恋、孤独、カラチやラホールの夜の街路、SNS疲れなど、Z世代の私小説的なトピックが多い。R&B、ベッドルームポップ、ローファイヒップホップを下敷きにしているが、ウルドゥー語特有の長い母音と韻が乗ることで独特の浮遊感が生まれている。
生まれた背景
聴きどころ
ウルドゥー語の歌詞のリズム感に注目してほしい。ペルシア語起源の柔らかい子音と、英語のスラングが同じ一行に混ざる独特の言語感覚。プロダクション面では、わざとマイクの距離を遠くしたり、テープのヒスノイズを残したり、完璧に磨かない美学が徹底されている。Hasan Raheemの楽曲ではドラムが時々わざと走るし、Abdul Hannanの曲ではギターのピッキングノイズがそのまま録音されている。この「未完成さ」を楽しめるかが鍵。
代表アーティスト
- Talha Anjum
- Abdul Hannan
- Hasan Raheem
代表曲
- Aisay Kaisay — Hasan Raheem (2021)
Bichlana — Abdul Hannan (2021)
Quaid e Azam Zindabad — Talha Anjum (2021)
日本との関係
初めて聴くなら
まずAbdul Hannan『Bichlana』。アコギの弾き語りに薄いシンセが重なるだけの構成で、ウルドゥー語が初めてでも旋律で泣ける。次にHasan Raheem『Aisay Kaisay』、これはダンサブルなビートで、夜の散歩や友人との集まりに合う。三曲目はYoung Stunners『Quaid e Azam Zindabad』、Talha Anjumの低音ラップが体に効く。深夜にイヤホンで聴く、もしくは雨の窓際でぼんやり流す、そんな時間に最も似合う。
