琉球民謡
沖縄本島・先島諸島の伝統的民謡。三線と独特の音階を持つ。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
嘉手苅林昌の『安里屋ユンタ』では、女性労働者の心情(幸せと悲しみが共存)が、高く張った声と三線の細かな装飾によって表現される。三線の弾き方の『ゆらぎ』——完全なリズム規則性を避け、人間の呼吸に沿う——が、機械的な拍子感を消す。りんけんバンド版では、グループ・アレンジが加わり、個人的感情から共同体的なものへの拡張が感じられる。
発展
20世紀前半、沖縄本島の嘉手苅林昌、八重山の大濱安伴ら名手が録音文化に登場し、戦後は知名定男・登川誠仁・大工哲弘らが伝統と現代の橋渡しを行った。1990年代の喜納昌吉『花』、BEGIN『島人ぬ宝』などで本土・世界に琉球音階が広まった。
出来事
- 1879年: 琉球処分後も民謡継承。
- 1956年: 嘉手苅林昌のレコードデビュー。
- 1969年: 喜納昌吉『ハイサイおじさん』。
- 1990年: りんけんバンドの活動本格化。
- 2001年: 夏川りみ『涙そうそう』ヒット。
派生・影響
沖縄ポップス(ウチナーポップ)、HY・モンゴル800ら沖縄バンド、夏川りみ・りんけんバンドの世界進出を生んだ。
音楽的特徴
楽器三線、太鼓、笛、四つ竹、声
リズム琉球音階、三線の即興的合いの手、ハヤシの掛け声
代表アーティスト
- 嘉手苅林昌
- 喜納昌吉
- 知名定男
- りんけんバンド
- 夏川りみ
代表曲
安里屋ユンタ — 嘉手苅林昌 (1970)
日本との関係
戦後から1970年代までは、本土の『異国的で懐かしい』民俗として消費されてきたが、1990年代から、沖縄の自己決定・アイデンティティ再構築の運動とともに、琉球民謡は『沖縄民族音楽』として再評価された。元ちとせ『ワダツミの木』(2002年)のヒットにより、若年層にも伝統の興味が広がった。
初めて聴くなら
嘉手苅林昌の『安里屋ユンタ』。高音で張り、同時に悲しさを持つ歌唱と、三線の繊細なリズムが印象的。その後、りんけんバンドの現代的アレンジで、グループ・ダイナミクスを経験する。夕方、窓を開けた時間に聴くことを勧める。
豆知識
琉球音階は、西洋の長調・短調とも異なり、『沖縄的なもの』として認識されている。三線のルーツについて、複数の仮説があり、中国の三弦楽器、アラブの楽器、東南アジアの楽器など、様々な系統説が競っている。統一的な見解は存在しない。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 伝統・民族アイヌ音楽
