フナナ
カーボベルデ・サンチャゴ島の農村で生まれ、独立後に解禁・電化された、アコーディオンと鉄棒で駆動するアフロ・カリブ的なダンス音楽。
まずはここから
ひとことで言うとカーボベルデ・サンチャゴ島の農村で生まれ、独立後に解禁・電化された、アコーディオンと鉄棒で駆動するアフロ・カリブ的なダンス音楽。
まずはこの曲からMayra Andrade — Stória, Stória... ▶ YouTube
代表的な人Bitori
どんな音か
ガボン(蛇腹楽器)と呼ばれるダイアトニック・アコーディオンが高速で駆動する。アコーディオンが右手で速いフレーズを刻みながら左手でリズムを叩き出す一方、フェロ(ferro)と呼ばれる鉄の棒——刃物や包丁の背面を別の金属で擦る打楽器——が一定のパルスを刻む。テンポは速め(120〜150BPM)で、二つの音の組み合わせだけでフロアを動かす設計になっている。歌は単純なコールアンドレスポンスが多く、クレオール語(カーボベルデ固有のポルトガル語系クレオール)の歌詞は農村の日常や恋愛、植民地支配への皮肉を混ぜて歌う。Bitori(Victor Tavares)の演奏では、アコーディオンのベロシティが随所で急変し、聴いている側の体が自然に揺れるような引力がある。
聴きどころ
初めて聴くなら
Bitorの「Tan Kalakatan」(1997)でジャンルの骨格を確かめ、続けてMayra Andradeの「Stória, Stória...」(2009)でより洗練されたアレンジを聴いてみるといい。前者は伝統的な2楽器編成に近く、後者は現代的なプロダクションが加わっているが、根底のリズムの感触は共通している。
代表アーティスト
- Bitori
- Tcheka
- Mayra Andrade
代表曲
- Mayra Andrade — Stória, Stória... (2009)
- Mayra Andrade — Tunuka (2013)
- Bitori — Tan Kalakatan (1997)
もっと見る(あと2件)
- Bitori — Legenda (2016)
- Bitori — Dinha Pelegrina (2017)
生まれた背景
カーボベルデはポルトガルの植民地として数百年間支配され、アフリカ大陸西端から沖合500kmに浮かぶ島国だ。フナナはポルトガル統治時代、特に農業労働者が多かったサンチャゴ島の内陸部で発展したとされるが、当局からは「粗野な庶民の音楽」として長く禁じられるか軽視されてきた。
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1975年の独立後、文化的アイデンティティの回復運動のなかでフナナが「解放された」——Bitorが1980〜90年代に行った電化(アコーディオンを電子音響機材と組み合わせる試み)が国際的な注目を集めた。
音楽的特徴の詳細
楽器ガイタ、フェロ、エレキギター、ベース、ドラム
リズム高速2/4、急スクレーパー、独立後の電化
発展
1980年代にフィナソンとビトリ・ヌ・ビビンナが電化フナナを完成させ、続くフェレル・ブラスやテルカフェがリスボン経由で欧州市場に発信。今日ではモルナと並ぶ国民音楽として、独立祝典の中心ジャンルである。
出来事
- 1975: カーボベルデ独立、フナナ解禁
- 1981: ビトリ・ヌ・ビビンナ結成
- 1986: フィナソン結成
- 2000s: リスボン経由で欧州ワールドミュージック市場に流通
派生・影響
モルナ、コラデイラ、バトゥケと相互影響し、アンゴラ・キゾンバや欧州クラブ音楽にも交差。
日本との関係
豆知識
植民地時代、フナナは「バジェラ(baixa、低い)の音楽」として農民や奴隷の末裔と結びつけられ、中産階級のカーボベルデ人からも距離を置かれていた時期があった。独立後に政府が文化振興の一環として掘り起こしたことで、皮肉にも国民音楽の象徴として地位が逆転した。
影響・派生で結ばれたジャンル
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