チャストゥーシュカ
ロシアの諧謔的短詩歌。
どんな音か
聴きどころ
Lidia Ruslanovaの録音では、彼女の張った声と、彼女自身が作った社会的ユーモア(女性労働者の視点から、男性や権力層を風刺する)が一体になっている。歌詞の『オチ』と音の終わり方がぴったり合致する瞬間を聴くこと。また、複数の声でハーモニーを作る場合(群唱)、全員で同じ音に合致する瞬間の快感。
初めて聴くなら
Lidia Ruslanovaの1940年代の録音『Valenki』(ブーツについての風刺歌)。短く、意味が単純で、ユーモアが一線引きやすい。言葉が分からなくても、音の張り方から『笑い』が伝わる。集団で歌う版も聴くと、個人と集団の境界線が面白い。
代表アーティスト
- Lidia Ruslanova
代表曲
- Kalinka (1860)
- Lidia Ruslanova — Valenki (1942)
生まれた背景
19世紀中葉から後期のロシア農村と町場で発生。農民・労働者の日常的な社会批評と笑いを、4行詩という短編形式に圧縮した。
音楽的特徴の詳細
楽器バヤン、バラライカ、声
リズム2/4の急速拍、4行スタンザ
発展
Lidia Ruslanovaら歌手が舞台音楽化。ソ連期の村落復興運動と都市民俗団で生き残った。現代でもロシア各地で結婚式の余興として歌われる。
出来事
- 1861: 農奴解放後に普及
- 1929: Ruslanova録音
- 1960s: ソ連民俗合唱団復興
派生・影響
ソ連大衆歌、ロシア・ロックのコメディ要素に流入。
日本との関係
日本ではほぼ知られていない。『カリンカ』『バレンキ』といった一部の旋律は、国際的な民族舞踊やダンスナンバーの背景音楽として使われることがあるが、chastushkaの本質的なユーモアと社会性は理解されていない。
豆知識
chastushkaの詩型は、ロシア文学の伝統的な4音脚韻の詩からは外れ、より口語的・俗語的。スターリン時代には、革命を賞賛するchastushkaが集団で歌わされる宣伝ツールになった。
続きを読む
その反動として、冷戦後の西側でのロシア民族音楽ルネッサンスでも、chastushkaはやや『低い』ジャンルとして扱われている傾向がある。
影響・派生で結ばれたジャンル
系譜図を見る
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
チャストゥーシュカが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
関連ジャンルを探す
- 古典交響曲
- ロック・メタルケルト・メタル
- ロック・メタルノイエ・ドイチェ・ヴェレ
- 伝統・民族リーダーマッハー
- 宗教・霊歌セマ(メヴレヴィー旋舞)
- 宗教・霊歌アザーン(礼拝の呼び声)
- ヒップホップ・R&Bミズラヒ・トラップ
- ポップアッシリア・ポップ
- 古典ロシア五人組
