伝統・民族

スークース

Soukous

キンシャサ / コンゴ民主共和国 / 中部アフリカ · 1960年〜

1960年代以降のコンゴで成立した、Cubanルンバとアフリカの感覚を融合したダンス音楽。

どんな音か

コンゴ(コンゴ民主共和国とコンゴ共和国)発のダンス音楽。BPM 110〜140。エレキギター(複数本、リード・リズム・ベース・ソロ)、エレキベース、ドラム、ホーンセクション(時々)。ヴォーカルは男声中心、メロディアスな語り口で「リンガラ語」(コンゴの主要言語)で歌う。曲は前半ゆっくり歌中心、後半に「セベン」と呼ばれる高速ダンス・パートに突入する2部構成が定型。曲尺は8〜15分。録音は明るく、ギターのカッティングが鮮明、低音は控えめ。

生まれた背景

1940〜50年代のキンシャサ(当時はベルギー領コンゴ)で、キューバ音楽(ルンバ・クバーナ)を地元のミュージシャンが翻案した「ルンバ・コンゴレーズ」が起源。1960年代独立後、Franco(Luambo Makiadi)とOK Jazz、Le Grand KallléとAfrican Jazzが基礎を固めた。1970年代後半に「スークース」(フランス語の「secousse=揺れ」が語源)として独立、Tabu Ley Rochereau、Papa Wemba、Pepe Kalle、Koffi Olomide、現代ではFally Ipupa、Werrason、Fériréらが世代を継いでいる。1980〜90年代にイギリスフランスを介して欧米のWorld Music市場で広く認知された。

聴きどころ

エレキギターの3〜4本の絡み合い: リード・ギターが高音メロディ、リズム・ギターがコード、ベースが低音、ソロ・ギターが間奏。「セベン」(高速ダンス・パート)に突入する瞬間、ドラムとパーカッションが一気に前面に出る変化。リンガラ語の歌詞は意味より音響として聴く。

代表アーティスト

  • Franco Luamboコンゴ民主共和国 · 1953年〜1989
  • Tabu Ley Rochereauコンゴ民主共和国 · 1959年〜2013
  • Papa Wembaコンゴ民主共和国 · 1969年〜2016
  • Sam Fan Thomasカメルーン · 1976年〜

代表曲

日本との関係

日本でのスークースシーンは小規模だが、世界音楽愛好者の間で支持される。Papa Wembaは1990年代に来日公演を行った。アフリカ音楽の流通は限定的で、CD/配信で深く掘る必要がある。

初めて聴くなら

古典なら、Franco『Mario』(1985)。スークースの代表曲の一つ。Papa Wemba『Mwana Molokai』。最近のものなら、Fally Ipupa『Eloko Oyo』(2014)。

豆知識

「Rumba Congolaise」と「スークース」は微妙に違う。前者はキューバン・ルンバを直接翻案した1950〜60年代までの形、後者は1970年代以降にエレキ化・高速化したスタイル。コンゴのリンガラ語は、ベルギー植民地時代に貿易・労働の共通語として広まった「リンガラ・トレード語」が音楽の標準語として定着した経緯がある。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1900年代1940年代1960年代1990年代スークーススークースソン・クバーノソン・クバーノルンバ・コンゴレーズルンバ・コンゴレーズンドンボロンドンボロ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
スークースを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

スークース の系譜全体図(多段)を見る

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