ドイナ
ルーマニアの自由拍即興抒情歌。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
「Doina Oltului — Maria Tănase (1957)」では、歌い手が音節をどこで切り、どこで伸ばすかに集中する。そのタイミングの変化が「呼吸のリズム」と一致していることに気づくはずだ。「The Lonely Shepherd — Gheorghe Zamfir (1977)」(映画「バリントン」でも使われた)ではパンフルートの音量の変化が非常に微細で、大きなスピーカーより良質なヘッドフォンで聴くほうが体感が強い。
発展
Maria Tănase(1913-1963)が歌唱芸術として確立。Gheorghe Zamfirのナイ演奏で世界的に知られる。2009年ユネスコ無形文化遺産登録。
出来事
- 1908: Bartók採譜開始
- 1957: Tănase黄金期
- 1972: Zamfir国際進出
- 2009: ユネスコ無形文化遺産登録
派生・影響
Manele、Lăutari音楽、現代的Romani Music。
音楽的特徴
楽器ナイ(パンフルート)、ツァンバル、ヴァイオリン、声
リズム自由拍(parlando-rubato)、メリスマ装飾、半音階下降
代表アーティスト
- Maria Tănase
- Gheorghe Zamfir
- Taraf de Haïdouks
代表曲
- Ciocârlia (1900)
- The Lonely Shepherd — Gheorghe Zamfir (1977)
Doina Oltului — Maria Tănase (1957)
日本との関係
初めて聴くなら
「The Lonely Shepherd — Gheorghe Zamfir (1977)」は映像なしに聴いても音の求心力がある。この一曲でパンフルートという楽器の可能性を感じた後、「Doina Oltului — Maria Tănase (1957)」で声のバージョンへ進む。2曲の空気感のちがいがドイナの幅を示している。
豆知識
ゲオルゲ・ザンフィルのパンフルート演奏は「クアイ・パン(Quai Pan)」と呼ばれる特殊奏法を含み、音の出し方が通常のリコーダー類とは大きく異なる。マリア・タナセは1950年代のルーマニア共産主義政権下でも活動を続けたが、当局との関係は複雑で、録音の一部は長く封印されていた。
