ルーノ歌唱
カレワラ詩律のフィンランド古詩歌唱。
どんな音か
生まれた背景
聴きどころ
カレワラ詩の『対句構造』が旋律にも反映されており、各フレーズが『上下の振動』を繰り返す。その『振動』そのものが、古代フィンランド人の『世界観の周期性』を表現している。また、言葉と声の『時間的距離』を意識すると、『古い歌唱法の復活』ではなく『現代による古さの『再解釈』』であることが明白になる。
発展
1835年『カレワラ』刊行で国民音楽運動の核となる。Sibeliusら作曲家が題材として採用。21世紀にはVärttinäら現代女性ヴォーカル団が再解釈する。
出来事
- 1835: 『カレワラ』初版
- 1849: 増補版刊行
- 1893: Sibelius『クッレルヴォ』
- 1983: Värttinä結成
派生・影響
フィンランド古典音楽、Nordic Folkメタルの精神的基盤。
音楽的特徴
楽器カンテレ(5弦)、声
リズム5音節トロカイック、5/4または同時拍
代表アーティスト
- Värttinä
代表曲
- Aitara — Värttinä (1991)
日本との関係
初めて聴くなら
Värttinäの『Aitara』(1991)。古詩を現代的な声楽アレンジで唱えたもので、『歴史の断裂と継続』の両者を同時に体験できる。冬の夜間、暖房を控えた寒い部屋で聴くことで、歌唱のテクスチャーが一層深まる。
豆知識
カレワラ詩は、19世紀の『民族音楽採集運動』という西欧的な学問的フレームワークによって『発見』されたもの。つまり、フィンランド人自身はそれまで『古い詩集』という感覚を持っていなかった。言語学と民族主義が交わり、『ジャンル化』が初めて起こった。
