マリネラ
ペルー国民舞踊で、アフリカ系・先住民・スペイン系のリズムが融合した、ハンカチを振って踊る求愛舞踊。
どんな音か
4分の4拍子で中程度のテンポ。男女が向かい合って、女性がハンカチを振り、男性が足下で複雑なステップを踏む。音楽的には、ギターの弾き語りにパーカッションが加わる。アフロペルーノの切迫したリズム感、スペイン系の抒情的なメロディ、先住民系の装飾音が同居し、緊張と緩和の往復が曲の構造を成す。
生まれた背景
聴きどころ
踊り手のハンカチ振りと音楽の同期を想像しながら聴くと、どのセクションが『求愛の始まり』で、どこが『クライマックス』かが自動的に聞こえてくる。ギターとパーカッションの関係、特にギターが『主張』する時点とパーカッションが『主張』する時点の入れ替わりの構造をつかむと、南米舞踊音楽の身体感覚が体験できる。
発展
20世紀前半に首都リマで商業化され、1986年に毎年ヌエバ・トレヒージョで国際マリネラ大会が開催されるようになった。アフロ・ペルー人音楽復興運動とも結びつく。
出来事
- 1879: 太平洋戦争
- 1893: 「マリネラ」名称化
- 1960: アフロ・ペルー・マリネラ復興
- 1986: ヌエバ・トレヒージョ国際大会
派生・影響
サマクエカ、チリ・クエカ、アフロ・ペルー、現代ペルー・フォークと交差。
音楽的特徴
楽器ギター、カホン、ハープ、声
リズム中速6/8、ハンカチ振り、男女ペア
日本との関係
南米音楽への関心が高まった1990年代以降、ラテン音楽の入門として日本でも認知されるようになった。ただし民族舞踊という文脈で『見もの』としての方が『聴きもの』より優先される傾向にあり、音声だけで深く聴き込む層は限定的。
初めて聴くなら
まずは舞踊動画を一度見て、ハンカチの振り方と音の関係を頭に入れてから、同じ曲を音だけで聴くことを勧める。その後、複数の歌手バージョンを聴き比べると、同じ『マリネラ』でも歌唱スタイル(スピード感や抒情性)で曲の表情が変わることに気づく。
