アマジグ音楽
北アフリカ先住民アマジグ(ベルベル)諸民族の集団歌舞群で、リフ、アトラス、サハラ各地域に独自の様式が伝わる。
どんな音か
生まれた背景
アマジグ(ベルベル)民族は北アフリカの先住民であり、アラブ人によるイスラム化(7世紀以降)以前から独自の文化を持っていた。フェニキア人、ローマ人、ヴァンダル族、ビザンティン帝国、そしてアラブ・イスラム世界——多くの文明が北アフリカを通過したが、山岳地帯や砂漠に生きたアマジグの音楽は根幹を保ち続けた。20世紀に入るとフランスの植民地支配下で自文化が抑圧され、アマジグ語も公的な場では禁じられた時期があった。1980年代以降のアマジグ文化復権運動の中で、音楽は言語と並んでアイデンティティの象徴として再評価された。
聴きどころ
太鼓のパターンを一本だけ追いかける練習から始めると入りやすい。西洋音楽のような4分の4拍子とは異なる拍の組み方をしていることが多く、5拍や7拍の周期が出てくることもある。声の反復フレーズがどのタイミングで太鼓のサイクルと一致し、どこでずれるかが、このリズム音楽の聴きどころの一つ。踊りの映像と合わせて見ると、足のステップとドラムの対応関係がよくわかる。
発展
1980年代後半からのアマジグ文化復興運動でイドゥル(ベルベル新年)祝祭が再評価され、グループ・タギャクト、イデゥル・ナイト・サイドらが録音活動を開始した。2011年モロッコでアマジグ語が公用語に昇格し、音楽の制度的地位も向上した。
出来事
- 1980: ベルベル文化春闘
- 1987: グループ・タギャクト結成
- 2002: アルジェリアでアマジグ語公用語化
- 2011: モロッコでアマジグ語公用語化
派生・影響
シャアビ、ライ、グナワ、ガルナーティ、現代世界音楽と交差。
音楽的特徴
楽器ベンディール、ナーカル、笛、合唱
リズムアヒドゥス輪舞、6/8複合、合唱応答
日本との関係
初めて聴くなら
seeded_tracksに具体的な録音が含まれていないため、代表アーティストや曲名の断定は避ける。「Amazigh music モロッコ」「Tuareg music tinde」などのキーワードで映像付きの音源を探すと、地域による多様性ごと体験できる。ティンデの映像は特に、砂漠の夜に女性たちが集まる様子と音が同時に届くので、音だけより文脈が理解しやすい。
