伝統・民族

ポーランド・マズルカ(民俗)

Polish Folk Mazurka

マゾフシェ / ポーランド / 東ヨーロッパ · 1600年〜

ポーランド中央部の民俗3拍子舞踊で、マズルカのリズムと文化的背景。

どんな音か

民俗マズルカは3拍子で、第1拍と第2拍の間に特有の音の強調がある。テンポは中程度だが、ダンスのステップに合わせると相当なエネルギーが必要となる激しさ。楽器はバイオリンやアコーディオン、時には農村のハンドドラムで演奏される。音は比較的素朴で、装飾音よりもリズム・パターンの明確さが重視される。

生まれた背景

ポーランド中央部、特にワルシャワ周辺の農村で発展した踊りで、庶民の祝い事や季節の祭典で踊られてきた。マズルカのリズムパターンは少なくとも16世紀には存在していたとされるが、民俗版と宮廷版・作曲家による版が並行して発展したため、複数の『マズルカ』が存在する。民俗版は常に踊られ、演奏者も即興で変奏を加えてきた。

聴きどころ

マズルカ特有の強調パターン(第1拍と第2拍の中間に強調が入る)をまず意識する。その上で、バイオリンやアコーディオンがどのように装飾を加えていくかを聴く。村のダンスホールでの演奏を想像しながら聴くと、音の雑然とした自由さが伝わってくる。

発展

Chopinが49曲のMazurkasで芸術音楽化し世界に広めた。社会主義期にはMazowsze国立舞踊団が国際公演で代表化。村落のRadom派・Kielce派が今も生演奏を継承。

出来事

  • 1830: Chopin Op.6マズルカ集
  • 1948: Mazowsze舞踊団結成
  • 1990s: Janusz Prusinowski継承運動

派生・影響

Chopin Mazurkas、ロシア・ウクライナのマズルカへ伝播。

音楽的特徴

楽器フィドル、バラバン太鼓、バセトラ、ハーディ・ガーディ

リズム3/4または3/8で第2・3拍にアクセント

代表アーティスト

  • Janusz Prusinowski Kompaniaポーランド · 2007年〜

代表曲

日本との関係

ポーランド音楽への関心が高い愛好者を除き、日本での認知度は非常に低い。ただしショパンのマズルカ作品は知られているため、そこから民俗版への興味が発生することはある。

初めて聴くなら

Janusz Prusinowski Kompania『Mazurek Op.7 No.1(folk roots)』。この演奏はクラシック版と民俗版の中間的な立場で、初心者にはマズルカのダンス・リズムが最も理解しやすい。夕方、動きのある活動をしながら聴くのが合っている。

豆知識

ショパンのマズルカ作品は、民俗的なマズルカを聞いた上で、それを19世紀ロマン主義の文法に翻訳したもの。逆に、民俗版はずっとシンプルに、踊りのための音楽としてのみ機能してきた。この分岐が、『マズルカ』という言葉の指すものを複雑にしている。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1600年代1700年代1830年代ポーランド・マズルカ(民俗)ポーランド・マズルカ(民俗)ゴーラレ音楽ゴーラレ音楽ポルカポルカ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ポーランド・マズルカ(民俗)を中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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