伝統・民族

アマピアノ

Amapiano

ヨハネスブルグ / 南アフリカ共和国 / 南アフリカ · 2012年〜

2010年代の南アフリカで成立した、Houseに深いベースとログドラムを乗せたダンス音楽。

どんな音か

南アフリカ・ヨハネスブルク郊外発の電子ダンス音楽。BPM 110〜115。ジャズピアノ風のコード(7th、9thのテンション)、シンセ・ベース、シェイカー、ハイハット、特徴的な「ログ・ドラム」(低音のシンセ・パーカッション、「うぉぉぉん」と長く伸びる音)。曲尺は5〜8分の長尺。ヴォーカルは少なめ、男女のフレーズが時々挿入される程度。録音は重低音と打楽器が前面、低音のうねりがフロアを揺らす。

生まれた背景

2010年代後半の南アフリカ・ヨハネスブルクとプレトリア郊外、特にカティレホン地区の若いプロデューサー集団から成立。Kabza De Small(「アマピアノの王」)、DJ Maphorisa、MFR Souls、JazziDisciplesが2018〜19年にシーン形成、2020年のパンデミック期にTikTokで世界化。2022年以降、ナイジェリアアフロビーツとの融合が進み、Asakeの『Mr. Money With The Vibe』(2022)はアマピアノアフロビーツの結節点として記録された。日本アメリカ合衆国、欧州のクラブでも広く流れるようになった。

聴きどころ

「ログ・ドラム」と呼ばれる、低音シンセが「うぉぉぉぅぅん」と数秒かけて減衰する音色。これがアマピアノの心臓部。ジャズ・ピアノのコード進行(7th, 9th, 11thのテンション)。シェイカーとハイハットの細かい刻み。曲が始まって2〜3分かけて徐々にレイヤーが重なる構造は、ハウステクノ系と同じ。

代表アーティスト

  • Kabza De Small南アフリカ共和国 · 2009年〜
  • DJ Maphorisa南アフリカ共和国 · 2010年〜
  • Tyler ICU南アフリカ共和国 · 2018年〜
  • Tyla南アフリカ共和国 · 2019年〜

代表曲

日本との関係

日本での認知は2022年以降に急速に進んだ。東京WOMB、ageHa、KASAGI Bal Bonoboなどでアマピアノの専門イベントが開かれている。日本のアフロ・ビーツ・コミュニティ(東京・横浜)を介して入り込んだ。

初めて聴くなら

1曲だけ聴くなら、Kabza De Small & DJ Maphorisa『Asibe Happy』(feat. Ami Faku)(2021)。アマピアノの代表的1曲。アフロビーツ寄りなら、Asake『Sungba』(remix with Burna Boy)(2022)。長尺で浸るなら、Kabza De Small『I Am the King of アマピアノ: Sweet & Dust』(2020)。

豆知識

アマピアノ」はツワナ語で「ピアノたち(複数形)」の意味。ジャンル名がそのまま「ピアノを使う音楽群」という意味になっている、珍しいケース。「ログ・ドラム」と呼ばれるあの低音シンセは、ヤマハのDX-7のプリセット音色を改造したものから派生したという説が一般的。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1980年代1990年代2010年代アマピアノアマピアノハウスハウスクワイトクワイトゴムゴム凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
アマピアノを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

アマピアノ の系譜全体図(多段)を見る

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