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伝統・民族

ゲンゲトーン

Gengetone

ケニア / サブサハラ・アフリカ · 2018年〜

ナイロビ発のシェング語(スワヒリ+英語+スラング)ストリートラップ。粗野でDIY、Buruklyn Boyzら。

まずはここから

ひとことで言うとナイロビ発のシェング語(スワヒリ+英語+スラング)ストリートラップ。粗野でDIY、Buruklyn Boyzら。

まずはこの曲からEthic EntertainmentLamba Lolo ▶ YouTube

代表的な人Ethic Entertainment

どんな音か

ゲンゲトーンは、2018年前後にナイロビ東部のイーストランズ地区で爆発したストリート・ラップだ。ビートはジャマイカのデンボウ・リディム(『ボン・ボボン』の跳ねる打ち込み)を骨格に、シンセ・ベースは短くスタッカートに切り、スネアを裏で強く叩く。歌詞はシェング語(スワヒリ語+英語+スラングの流動的混成語)で、複数の MC が一曲内でマイクを奪い合うように短いバースを連ねる。プロダクションは意図的に粗く、低域はブーミー、ハイは少し荒れた「スマホのスピーカー前提」の音像で、YouTube と TikTok の縦画面ダンス動画に最適化された設計になっている。

聴きどころ

まずマイクリレーの呼吸を聴いてほしい。3-4人の MC がフックを集団で歌い、バースで一人ずつ前に出てくる構造が典型だ。シェング語の言葉遊び(スワヒリ・英語・スラングを一行内で切り替える)と、母音を引き伸ばして韻を踏むフロウは、意味が分からなくてもリズムとして気持ちいい。ベースはデンボウ由来の「ボン、ボボン」の跳ねパターン、サビ後のアドリブの叫び(『Eyy!』『Wololo!』)もシーンの定型だ。Ethic Entertainment『Lamba Lolo』(2018)ではこの型が最も明快に聴ける。

初めて聴くなら

最初は Ethic Entertainment『Lamba Lolo』(2018)、ゲンゲトーンの点火点そのものだ。続いて Sailors Gang『Wamlambez』(2019)でシーンの社会現象化の瞬間、Buruklyn Boyz『Nairobi』(2021)でジャンル成熟後の音を聴く。土曜の深夜、部屋を暗くしてサブウーファー寄りで鳴らすのが似合う。

代表アーティスト

  • Ethic Entertainmentケニア · 2018年〜
  • Sailorsケニア · 2018年〜
  • Boondocks Gangケニア · 2019年〜
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  • Buruklyn Boyzケニア · 2019年〜
  • Zzero Sufuriケニア · 2019年〜

代表曲

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生まれた背景

点火は2018年、Ethic Entertainment の4人組(Rekles、Seska、Swat、Zilla)が『Lamba Lolo』(下ネタ寄りのシェング語俗語をタイトルにした曲)を YouTube に上げ、数週間で数百万再生に達したことだった。彼らはナイロビ東部の Buruburu、Kayole、Umoja といった中低所得地区の若者たちで、カプカ(2000年代のケニアン・ダンスホール・ポップ)を継承しつつ、TikTok と YouTube を主戦場にする「デジタル・ネイティブ第一世代」だった。

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2019年には Sailors Gang『Wamlambez』(下ネタ寄りのシェング語俗語)がケニア国会でも問題視される社会現象となり、Media Council of ケニアゲンゲトーン楽曲の放送規制を検討するに至った。この「モラル・パニック」がかえってジャンルの若者への浸透を後押しした。

その後の代表曲

日本との関係

日本での認知はほぼゼロで、現地英語メディアと African ヒップホップ 系 YouTuber を追う層が個別に発見している段階だ。デンボウ系のビートは日本レゲトン/ダンスホール DJ の共有資産になっており、Buruklyn Boyz『Nairobi』(2021)のような曲が東京のアフリカ系パーティで時折プレイされる。TikTok での短時間バイラルは既に起きており、Ethic『Instagram』(2019)は日本 TikTok の一部ダンス投稿で使われた記録がある。

豆知識

ゲンゲトーン」という名前は先行ジャンル「カプカ」(2000年代の Jua Cali らの カプカ 系)に音楽的接尾辞「tone」をつけた造語で、2019年頃に YouTube チャンネルやブロガーが使い始めた呼称が定着したものだ。シェング語の語彙の半分以上は数年単位で入れ替わる流動的な俗語で、ゲンゲトーンの歌詞は年が経つと現地の若者でも一部『古い』と感じる短命さを持つ。

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Sailors『Wamlambez』(2019)はケニア国会の議場でも言及される社会現象になり、過激な歌詞が放送禁止処分を受けた経緯もある。ジャンルの音楽的祖先である カプカ の Nonini は「gengetone は自分の孫」と述べている。

影響・派生で結ばれたジャンル

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ジャンル関係図1970年代1980年代2000年代2010年代ゲンゲトーンゲンゲトーンヒップホップヒップホップダンスホールダンスホールカプカカプカデムボウデムボウ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ゲンゲトーンを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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