サムルノリ
1978年に成立した、屋内舞台用に再構築した韓国打楽四重奏。
どんな音か
ケンガリ(小型銅鑼)、チン(大型銅鑼)、チャンゴ(砂時計型太鼓)、プク(バレル太鼓)の4種類だけで音楽が成立する。音量は非常に大きく、屋内コンサートホールで演奏されるとその音圧は身体で感じるほどだ。リズムは単純な反復に見えるが、ケンガリが主導して拍の細分を次々に変えていき、4分の4拍子の中に12/8拍子的な感覚が出てくる「モリ変え」と呼ばれる技法が随所に入る。奏者4人は腰を落として座ったり、立ち上がって動いたりしながら演奏し、身体の動きが音楽の一部として設計されている。
生まれた背景
聴きどころ
「ピナリ — 金徳洙 (1982)」はサムルノリの定番レパートリーで、4楽器が最初どのように入ってくるかを確認し、誰が「会話」を主導しているか追ってほしい。ケンガリの金属音が変わるたびに音楽のギアが切り替わる感覚がある。クライマックス部分では4楽器が完全に同期して速度を上げ、会場の空気が変わるのを感じられるはずだ。
発展
1980年代以降、欧米・日本での公演が爆発的人気を呼び、世界各地のサムルノリ・ワークショップが開かれた。釜山・ソウルの音楽大学で教育プログラム化され、世界中に学習者を持つ。ジャズ・現代音楽との共演(『Red Sun』ら)も活発。
出来事
- 1978年: 金徳洙ら『サムルノリ』結成・初演。
- 1982年: 米国ツアー成功。
- 1985年: 『Red Sun』ジャズ共演プロジェクト。
- 1993年: 国立国楽中・高等学校でサムルノリ教育開始。
- 2014年: 農楽としてユネスコ無形文化遺産登録。
派生・影響
韓国現代国楽創作、ワールドミュージック・パーカッション・アンサンブル、教育用打楽教材として世界に普及した。
音楽的特徴
楽器チャング、プク、ケンガリ、チン
リズム座奏四重奏、複雑な長短(リズム型)組み合わせ、ピアニッシモからフォルティッシモへの動的展開
代表アーティスト
- 金徳洙
代表曲
- Binari — 金徳洙 (1985)
ピナリ — 金徳洙 (1982)
Honam Udo — 金徳洙 (1988)
Samdo Sori Norigarak — 金徳洙 (1990)
Yongin Sori — 金徳洙 (1995)
日本との関係
初めて聴くなら
「ピナリ — 金徳洙 (1982)」から始める。リズムの変化を言葉で解説する前に、まず音楽が進むにつれて自分の身体が動きたくなるかどうかを確かめてほしい。その衝動がサムルノリの設計意図に直接触れている。
