伝統・民族

サムルノリ

Samul Nori

ソウル / 韓国 / 東アジア · 1978年〜

別名: 사물놀이

1978年に成立した、屋内舞台用に再構築した韓国打楽四重奏。

どんな音か

ケンガリ(小型銅鑼)、チン(大型銅鑼)、チャンゴ(砂時計型太鼓)、プク(バレル太鼓)の4種類だけで音楽が成立する。音量は非常に大きく、屋内コンサートホールで演奏されるとその音圧は身体で感じるほどだ。リズムは単純な反復に見えるが、ケンガリが主導して拍の細分を次々に変えていき、4分の4拍子の中に12/8拍子的な感覚が出てくる「モリ変え」と呼ばれる技法が随所に入る。奏者4人は腰を落として座ったり、立ち上がって動いたりしながら演奏し、身体の動きが音楽の一部として設計されている。

生まれた背景

サムルノリは1978年2月、ソウルの空間寺院小劇場で金徳洙と3人の奏者が野外農楽(プンムル)を舞台芸術として再構築した初演が出発点だ。農楽は農作業や祭りの場で数十人が参加する野外音楽だったが、それを4人・屋内・観客ありの形式に凝縮した。「サムル」は4種の楽器を意味し、「ノリ」は遊び・演じることを意味する。1980〜90年代に韓国国内で広く普及し、大学の課外活動にも取り入れられた。金徳洙は国際ツアーを繰り返し、ヨーロッパや日本でも演奏した。

聴きどころ

「ピナリ — 金徳洙 (1982)」はサムルノリの定番レパートリーで、4楽器が最初どのように入ってくるかを確認し、誰が「会話」を主導しているか追ってほしい。ケンガリの金属音が変わるたびに音楽のギアが切り替わる感覚がある。クライマックス部分では4楽器が完全に同期して速度を上げ、会場の空気が変わるのを感じられるはずだ。

発展

1980年代以降、欧米・日本での公演が爆発的人気を呼び、世界各地のサムルノリ・ワークショップが開かれた。釜山・ソウルの音楽大学で教育プログラム化され、世界中に学習者を持つ。ジャズ・現代音楽との共演(『Red Sun』ら)も活発。

出来事

  • 1978年: 金徳洙ら『サムルノリ』結成・初演。
  • 1982年: 米国ツアー成功。
  • 1985年: 『Red Sun』ジャズ共演プロジェクト。
  • 1993年: 国立国楽中・高等学校でサムルノリ教育開始。
  • 2014年: 農楽としてユネスコ無形文化遺産登録。

派生・影響

韓国現代国楽創作、ワールドミュージック・パーカッション・アンサンブル、教育用打楽教材として世界に普及した。

音楽的特徴

楽器チャング、プク、ケンガリ、チン

リズム座奏四重奏、複雑な長短(リズム型)組み合わせ、ピアニッシモからフォルティッシモへの動的展開

代表アーティスト

  • 金徳洙韓国 · 1957年〜

代表曲

日本との関係

金徳洙は1980〜90年代に何度も来日し、日本の打楽器奏者や民族音楽学者と交流した。吉川文恵や林英哲といった和楽器奏者との合同公演も行われ、日韓の打楽器音楽の対話という形で注目を集めた。大阪・神戸のコリアンタウンを中心に在日コリアン社会への普及もあり、韓国の伝統芸能の中では日本での認知度が比較的高い。

初めて聴くなら

「ピナリ — 金徳洙 (1982)」から始める。リズムの変化を言葉で解説する前に、まず音楽が進むにつれて自分の身体が動きたくなるかどうかを確かめてほしい。その衝動がサムルノリの設計意図に直接触れている。

豆知識

サムルノリ」はもともとは金徳洙のグループ名だったが、今では4打楽器による舞台芸術形式全体を指す普通名詞として使われる。1988年のソウル五輪開会式でも披露され、韓国の伝統文化の看板として世界に発信された。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1500年代1970年代サムルノリサムルノリプンムルプンムル凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
サムルノリを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

韓国 · 1978年前後 (±25年)

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