カールベリヤ
ラージャスターンの蛇遣い民族カールベリヤの歌と踊り。
どんな音か
ベーン(蛇遣いの縦笛——円筒形のリードパイプと吹き込みパイプが組み合わさった楽器)の持続音が底に流れ、その上でダンサーが黒いスカートをぐるぐる回しながら踊る。音楽は繰り返しが多く、ベーンの音は蛇の動きを模したとも言われる。打楽器(ダフ、カルタール)がリズムを刻み、女性の歌い手が甲高い声で即興の詩を乗せる。衣装は黒を基調に鮮やかな刺繍が施され、スカートの広がりと回転が視覚的な中心になる。
生まれた背景
聴きどころ
ベーンの持続音(ドローン)と旋律が同時に出る仕組みに注意する。吹き込みながら鼻で呼吸する循環呼吸(サーキュラー・ブリージング)で吹かれるため、音が途切れない。歌い手の即興詩は旅の記録や恋愛・神話をテーマにしており、歌詞の切れ目とリズムの切れ目が少しずれる独特のフレーズ感がある。
発展
1980年代以降、グラーボー・サパーラ(踊り手・歌手)らが世界フェスティバル・ツアーを行い、フランスのペレンタウバ国立人類学博物館との共同プロジェクトでも紹介された。2010年にユネスコ無形文化遺産に登録された。
出来事
- 1972年: 野生生物保護法。
- 1980年代: グラーボー・サパーラの舞台活動。
- 1990年代: 国際公演活発化。
- 2010年: ユネスコ無形文化遺産代表一覧表に登録。
- 2018年: グラーボー・サパーラ死去で時代の節目。
派生・影響
ラージャスターン文化観光の核、フランス・ジプシー音楽との交流(共通起源説あり)、ボリウッド映画ダンスの素材となる。
音楽的特徴
楽器プーンギ(蛇笛)、ドゥフ、カマイチャ、ハルモニウム、声
リズム高速ドゥフ拍、蛇のような身のこなし、即興的詞章
代表アーティスト
- Kalbelia Folk Group
- Gulabi Sapera
代表曲
- Kalbelia Dance Song (2010)
Kalbelia Snake Charmer Song — Kalbelia Folk Group (1980)
Rajasthani Folk Dance — Kalbelia Folk Group (1985)
Been Geet — Kalbelia Folk Group (1990)
Sapera Naach — Gulabi Sapera (1990)
Kalbelia Wedding Song — Gulabi Sapera (1995)
日本との関係
初めて聴くなら
グラビ・サペーラの演奏映像から入る。踊りと音楽が分離しがたいジャンルなので、聴くだけでなく見ることが理解への近道だ。スカートの回転がベーンの音の循環と重なる感覚が分かると、このジャンルの核心に触れられる。
