チベット民謡
チベット高原の労働・祝祭・恋愛を歌う民謡群。
どんな音か
チベット民謡は、高い音域の声と、開放的な発声が特徴。声は力強く、ビブラートは控えめ。リズムは比較的単純で、歌詞の内容に合わせた叙述的な音楽構成になっていることが多い。伝統的には楽器を伴わないことが多いが、現代の録音ではギターやハーモニウムが加わることもある。音色全体として、チベット高原の乾いた風景と、その雄大さが音として表現されている。
生まれた背景
聴きどころ
チベット高原の言語(チベット語)の音韻が、旋律にもたらす影響を聴き分けること。労働歌、祝祭歌、恋愛歌などの異なるジャンルでの音の質感の違いに注目。声の強さと、その背後にある精神状態を感じ取ることが重要。
発展
20世紀後半、亡命チベット人コミュニティ(ダラムサラ)と中国国内のチベット族双方で独自の発展を見せた。才旦卓瑪(才旦卓玛)『北京の金山上』(1961年)が中国全土に広まり、近年はコンチョク・ツェテンら民間の若手歌手も活躍する。
出来事
- 8世紀: 吐蕃王朝期の宮廷歌曲記録。
- 1959年: チベット動乱と亡命コミュニティ形成。
- 1961年: 才旦卓瑪『北京の金山上』。
- 2006年: 多数のチベット民俗芸能が国家級無形文化遺産指定。
- 2009年: ゲサル王叙事詩がユネスコ無形文化遺産登録。
派生・影響
現代チベット・ポップ、ヒマラヤ仏教圏(ブータン・ラダック)の民謡との比較対象となる。
音楽的特徴
楽器ダムニェン(六弦琴)、ピワン(擦弦)、笛、太鼓、声
リズム高音域、ナンマ・ドゥシェなどジャンル別のリズム型、ゲサル王伝の語り
代表アーティスト
- 才旦卓瑪
代表曲
ラサの夜空 — 才旦卓瑪 (1961)
日本との関係
初めて聴くなら
才旦卓瑪『ラサの夜空』(1961年)。この古い録音は、チベット民謡の本質を直接的に伝えるもので、高地の風景と民族的精神が最も結晶化されている。夜間に、瞑想的な状態で聴くことが推奨される。
豆知識
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- 古典琵琶曲
