宗教・霊歌
ゴスペル・聖歌・讃美歌・カッワーリー・声明・典礼音楽
ゴスペル
アフリカ系米国人のキリスト教礼拝音楽として20世紀初頭に確立された宗教音楽。
カッワーリー
南アジアのスーフィー的礼拝歌。長尺で恍惚へ高まる構成が特徴。
グレゴリオ聖歌
ローマ・カトリック教会のラテン語典礼で歌われる単旋律の無伴奏聖歌。中世西方教会音楽の基層をなす。
カルナーティック信愛歌
南インド・カルナーティック古典音楽体系の中で発達した、神への信愛を主題とする声楽伝統。
チベット仏教声明
チベット仏教(主にゲルク派・カギュ派・ニンマ派)の儀礼で行われる、深い倍音を含む集団詠唱。
声明
日本仏教の儀礼で僧侶が経典・讃歌を旋律的に唱える伝統。日本古典音楽の祖型のひとつ。
韓国仏教声明(梵唄)
韓国仏教(主に曹渓宗・太古宗)の儀礼で行われる、漢文経典の旋律的詠唱伝統。
アザーン(礼拝の呼び声)
イスラム教の礼拝時刻を告げる、ムアッジン(呼び手)による声の伝統。
セマ(メヴレヴィー旋舞)
13世紀ジャラール・アッディーン・ルーミーに由来する、メヴレヴィー教団の旋舞儀礼の音楽。
アルメニア聖歌
アルメニア使徒教会の典礼で歌われる古代キリスト教聖歌。シャラカン(讃歌集)を中心とする独自体系。
アングリカン詠唱
イングランド国教会で発達した、英語詩篇を四声体ハーモニーで歌う独特の朗唱様式。
アンブロジオ聖歌
北イタリア・ミラノ大司教区で伝承されるラテン典礼聖歌。ミラノ典礼に固有の独自伝統。
イシカタミヤ
南アフリカ・ズールー系の鉱山労働者宿舎で1920年代以降に発達した、無伴奏男声合唱の宗教・世俗ジャンル。
イファ音楽
西アフリカ・ヨルバ族のイファ占術と宗教儀礼で行われる、太鼓と詠唱の音楽伝統。
エチオピア聖歌
エチオピア正教会(テワヘド派)の典礼で歌われる古典ゲエズ語聖歌。打楽器と祭儀舞踊を伴う。
オラトリオ
聖書や宗教的主題を題材に、独唱・合唱・管弦楽で演じない劇音楽として上演する大規模声楽曲。
カントリー・ゴスペル
20世紀アメリカ南部の白人福音音楽で、カントリー音楽の楽器編成と語法で歌われる讃美歌伝統。
カンドンブレ音楽
ブラジル・バイーア発のアフロ・ブラジリアン宗教カンドンブレの儀礼音楽。
ガリア聖歌
メロヴィング朝・カロリング朝以前のガリア(現フランス)で歌われた西方ラテン聖歌の地域伝統。
キールタン
神名(ナーマ)を集団で繰り返し歌うヒンドゥー教の信愛音楽実践。
クリスマス・キャロル
降誕節を祝うキリスト教の祝祭歌の総体。中世舞曲起源から現代ポピュラーまで広範な伝承を持つ。
クルアーン朗誦(タジュウィード)
イスラム啓典クルアーンの規範的朗誦伝統。神学上は『音楽』ではなく啓示の音声化として位置付けられる。
グナワ
モロッコのスーフィー的儀式音楽。Guembri(リュート)と鉄製カスタネット(qraqeb)が特徴。
グルバーニ・キールタン
シク教の聖典『グル・グラント・サーヒブ』の讃歌を、定められたラーガで歌う典礼音楽。
コプト聖歌
エジプトのコプト正教会で伝承される古代エジプト・ギリシャ起源を持つキリスト教典礼歌。
コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック
1970年代に米国で成立した、ロック・ポップの語法で福音派キリスト教メッセージを歌う商業ジャンル。
サクレッド・ハープ
形音符(シェイプ・ノート)で記譜される、四声体の参加型讃美歌歌唱伝統。
サザン・ゴスペル
白人男声四重唱を中心とする、米南部発の福音音楽様式。
サンテリア音楽
キューバで成立したヨルバ系アフロ・キューバン宗教ルクミの儀礼音楽。
シリア聖歌
シリア語典礼を持つ東方諸教会で歌われる古代キリスト教聖歌。マロン派・シリア正教会・東方教会など多教派で共有される。
ジャイナ教ストヴァン
ジャイナ教ティールタンカラ(救済者)讃歌。寺院・家庭・祭礼で歌われる。
ジュネーヴ詩篇歌
16世紀ジュネーヴでジャン・カルヴァンの主導で編纂された、フランス語韻文詩篇歌集。改革派伝統の核。
ズナメニー聖歌
ロシア正教会の伝統的な単旋律聖歌。独自のクリューキ(鉤型)ネウマ譜で記される。
セファルディ典礼音楽
イベリア半島起源のセファルディ・ユダヤ人共同体で発達した、シナゴーグ典礼音楽。
ゾロアスター教典礼音楽
古代ペルシア起源のゾロアスター教(パールスィー)の典礼で行われる、アヴェスター語朗誦伝統。
テーラワーダ・パーリ語詠唱
スリランカ・タイ・ミャンマー・ラオス・カンボジアの上座部仏教で実践される、パーリ語経典の朗誦伝統。
ドゥルパド
北インド古典音楽最古層の声楽様式で、神への讃美詩を瞑想的に歌い上げる。
ナシード
ヴォーカルとパーカッションのみで歌われるイスラム教の宗教歌・道徳歌。
ハイチ・ヴォドゥ音楽
西アフリカ・フォン/エウェ宗教とハイチ革命を経て成立した、ヴォドゥ儀礼の音楽体系。
ハザヌート(カントル芸術)
ユダヤ教シナゴーグ礼拝でハザン(カントル)が祈祷文を歌い導く、専門的声楽芸術。
ハシディズム・ニグン
東欧ハシディズム諸派が発達させた、歌詞のない神秘的な集団歌唱。
ハドラ
北アフリカ・中東のスーフィー教団で行われる、集団詠唱と身体運動による礼拝集会。
バジャン
ヒンドゥー教の信愛(バクティ)詩を、共同体で歌う宗教歌唱伝統。
バハーイー教音楽
19世紀ペルシア発のバハーイー教において、聖典を多言語で歌う近代的祈祷音楽伝統。
ビザンティン聖歌
ギリシャ正教会の典礼で歌われる単旋律無伴奏聖歌。8つのエコス(旋法)体系と独自のネウマ記譜法を持つ。
ブラック・ゴスペル
20世紀前半にトーマス・A・ドーシーらが創始した、アフリカ系アメリカ教会の現代的礼拝音楽。
ブルーグラス・ゴスペル
ブルーグラスの楽器編成と高音ハーモニーで歌われる、白人福音音楽様式。
プレインチャント
中世西方教会で歌われた単声・無伴奏の聖歌の総称で、西洋音楽の最古層に位置する。
ベナン・ヴォドゥン音楽
ベナン共和国・トーゴ南部のフォン/エウェ族のヴォドゥン宗教の儀礼音楽。ハイチ・ヴォドゥの源流。
ペヨーテ・ソング(先住民教会聖歌)
アメリカ先住民教会(NAC)の儀礼で、ペヨーテ礼拝の一晩を通して歌われる祈祷歌。
ペルシア・スーフィー音楽
イラン高原のスーフィー教団(ニーマトゥッラーヒー、カーディリー、ナクシュバンディー等)で実践される神秘主義声楽伝統。
ペンテコステ礼拝音楽
20世紀初頭以降のペンテコステ派・カリスマ運動から発達した、感情的高揚と即興を重視する礼拝音楽。
ホーリー・ミニマリズム
1970年代以降の東欧・北欧で生まれた、宗教的瞑想を志向するミニマリズムの一潮流。
マディーフ・ナバウィー
預言者ムハンマドへの讃美を歌うアラブ世界の宗教歌唱伝統。
ミサ・クリオージャ
ラテンアメリカの民俗音楽語法でミサ通常文を歌う、20世紀後半の典礼音楽運動。
ミズラヒ典礼音楽
中東・北アフリカのアラブ世界に長く居住したミズラヒ・ユダヤ共同体の典礼歌唱伝統。
モサラベ聖歌
イベリア半島の西ゴート時代に発展し、イスラム支配下のキリスト教徒(モサラベ)に伝承された西方ラテン聖歌。
モテット
中世末期に成立し、ルネサンス〜バロックに至るまで多様な形を取ったラテン語多声声楽の主要ジャンル。
ルター派コラール
宗教改革期にマルティン・ルターらが整備した、ドイツ語による会衆讃美歌の伝統。
ルネサンス・ミサ曲
ミサ通常文(キリエ、グローリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイ)を一曲として構成する15〜16世紀の多声声楽形式。
ヴェーダ詠唱
ヒンドゥー教最古層の聖典ヴェーダを、口承で正確に伝える音声伝統。世界最古の音声芸術の一つ。
受難曲
聖書の受難物語を題材とする宗教音楽。プレインチャント時代から続く伝統で、バッハの「マタイ受難曲」が頂点。
古ローマ聖歌
ローマ市内の教皇・教区教会で伝承されてきたラテン聖歌で、グレゴリオ聖歌とは異なる旋律体系を持つ。
巫楽(ムアク・グッ)
韓国シャマニズム(巫俗)儀礼グッで奏される音楽。神霊を呼び出し追放する儀礼の核。
御神楽
宮中賢所で行われる神事音楽で、最も古典的・典礼的な神楽様式。
梵唄(ファンバイ)
中国仏教の儀礼で行われる、漢訳経典の朗詠伝統。東アジア仏教声明の祖型。
白人霊歌
アメリカ南部白人開拓者の野営集会(キャンプミーティング)で発達した、英語の宗教的民謡。
神楽
日本神道の神事で奉納される音楽舞踊の総体。御神楽・里神楽の二大系統を持つ。
讃美歌
プロテスタント諸派を中心に発達した、有節形式の英語・各国語讃美歌の総合伝統。
道教儀礼音楽
中国道教の祭祀(斎醮)で行われる音楽体系。神霊と人間の交感を音響的に媒介する。
黒人霊歌
アメリカ南部の奴隷制下でアフリカ系アメリカ人共同体が創出した宗教的民謡。