宗教・霊歌

ルター派コラール

Lutheran Chorale

ヴィッテンベルク / ドイツ / 西ヨーロッパ · 1524年〜

別名: Kirchenlied

宗教改革期にマルティン・ルターらが整備した、ドイツ語による会衆讃美歌の伝統。

概要

シンプルで覚えやすい有節歌詞旋律を会衆全員で歌うことを核とする音楽形式。ルター自身による『Ein feste Burg ist unser Gott(神はわがやぐら)』をはじめ、聖書朗読・説教と並ぶ礼拝の中心要素として位置付けられた。後期にはオルガン伴奏と多声編曲(コラール前奏曲・コラールカンタータ)が発達した。

背景

1517年の宗教改革でルターは『万人祭司』思想に基づき会衆讃美を礼拝の中心に据えた。土着民謡や中世讃歌、グレゴリオ聖歌を母語ドイツ語に翻案し、神学的内容を共同体が記憶し共有する装置として機能させた。プロテスタント信仰の音響的アイデンティティを規定した。

発展

16-17世紀にプレトリウス、シャイト、シュッツ、シャインらがコラール多声曲を量産、17世紀後半にバッハ家系へと至るオルガン・カンタータ伝統を支えた。J.S.バッハの教会カンタータ・受難曲はコラール文化の頂点であり、彼の死後も讃美歌集を通じて世界中のルター派・改革派教会に広まった。

出来事

  • 1524: ルター『Geistliche Lieder』讃美歌集刊行
  • 1529: 『神はわがやぐら』成立
  • 1727: J.S.バッハ『マタイ受難曲』初演
  • 1948: 世界教会協議会、エキュメニカルな讃美歌集編纂を促進

派生・影響

西洋古典音楽の和声・対位法教育の核となり、メンデルスゾーン、ブラームス、レーガー、メシアンら多くの作曲家がコラールを引用・変奏した。北欧・北米プロテスタント讃美歌伝統全般の祖型。

音楽的特徴

楽器会衆斉唱、オルガン、合唱(SATB)

リズム有節形式、ドイツ語、四声和声、規則的拍節

代表アーティスト

  • Thomanerchor Leipzigドイツ · 1212年〜
  • Johann Sebastian Bachドイツ · 1700年〜1750

代表曲

関連ジャンル

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