宗教・霊歌

アングリカン詠唱

Anglican Chant

イギリス / 西ヨーロッパ · 1550年〜

イングランド国教会で発達した、英語詩篇を四声体ハーモニーで歌う独特の朗唱様式。

概要

詩篇の散文を、固定の和声型(チャント)に乗せて柔軟に唱える方式。各詩節は半終止と全終止の二部に分かれ、節の長短に応じて音節を配分する。聖歌隊が無伴奏またはオルガン伴奏で歌い、英国大聖堂の日課(イーヴンソング)を象徴する音響となっている。

背景

16世紀イングランド宗教改革で英語典礼書(Book of Common Prayer)が制定され、ラテン典礼詩篇を英訳して歌う必要が生じたことから、グレゴリオ詩篇トーンを和声化する形で発展した。国教会という独自の中道(Via Media)路線を反映し、儀式性と平明さを両立する音響として確立した。

発展

17-18世紀にトマス・モーリー、ウィリアム・クロフトらが古典的チャント型を整備、19世紀ロバート・ジャネス、サミュエル・ウェスリーらの作曲で和声的洗練が進んだ。20世紀には英国大聖堂聖歌隊伝統(キングズ・カレッジ、ウィンチェスター等)の世界的録音活動で広く知られるようになった。米国聖公会・カナダ聖公会・日本聖公会など世界中の聖公会共同体で実践される。

出来事

  • 1549: 共通祈祷書初版発行
  • 1644: ピューリタン革命下で大聖堂聖歌が一時禁止
  • 1841: ロバート・ジャネス、現代型詩篇集刊行
  • 1928: 米国聖公会改訂祈祷書

派生・影響

現代英語讃美歌・合唱詩篇曲・チョラル・イーヴンソング作品の母胎となり、英国合唱伝統全体の音響的基盤を築いた。

音楽的特徴

楽器聖歌隊(SATB)、オルガン

リズム英語詩篇の柔軟な朗唱、四声和声、固定チャント型

代表アーティスト

  • Choir of King's College, Cambridgeイギリス · 1441年〜
  • Thomas Tallisイギリス · 1530年〜1585

代表曲

関連ジャンル

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