イファ音楽
西アフリカ・ヨルバ族のイファ占術と宗教儀礼で行われる、太鼓と詠唱の音楽伝統。
概要
バババラウォ(ifá祭司)がオドゥ(占いの章)を詠唱する声楽伝統と、バターやドゥンドゥンなど特殊な圧力太鼓を中心とする儀礼器楽の総体。神々(オリシャ:オバタラ、オグン、シャンゴ、エシュ等)それぞれに固有の歌・リズムが対応し、神話と社会倫理を伝える媒体となる。
背景
ナイジェリア南西部・ベナン共和国のヨルバ族に古来伝わる宗教文化で、世界観・倫理・歴史を組み込んだ256章のオドゥ体系を中心とする。バターは世界最古の『話す太鼓(トーキング・ドラム)』のひとつで、ヨルバ語の声調を再現する能力を持つ。
発展
16-19世紀の大西洋奴隷貿易でブラジル(カンドンブレ)、キューバ(サンテリア)、ハイチ(ヴォドゥ)等にディアスポラ拡散し、各地で独自宗教音楽を生んだ。本土では植民地期を経ても継承され、独立後はナイジェリア国民文化の重要要素として再評価された。
出来事
- 12世紀頃: ヨルバ・イレ・イフェ王国成立、宗教文化整備
- 1820: イファ・オラトリ・ベイビロン、米州ディアスポラの宗教発生
- 2005: ユネスコ、イファ占術を無形文化遺産登録
派生・影響
サンテリア音楽、カンドンブレ音楽、ヴォドゥ儀礼音楽、ジュジュ・アフロビート(フェラ・クティはヨルバ宗教文化を引用)、現代ナイジェリアン・ポップに広範な影響。
音楽的特徴
楽器バター(三連太鼓)、ドゥンドゥン、アグベ、シェケレ、声
リズム声調太鼓、複合ポリリズム、コール&レスポンス、ヨルバ語
代表アーティスト
- Wande Abimbola
代表曲
- Ifa Divination Chant — Wande AbimbolaYouTube で検索