ミズラヒ典礼音楽
中東・北アフリカのアラブ世界に長く居住したミズラヒ・ユダヤ共同体の典礼歌唱伝統。
概要
イラク・シリア・イエメン・モロッコ・チュニジア・イラン等のユダヤ共同体が継承する典礼音楽。アラブ・ペルシアの古典マカーム体系をそのまま用い、ピユット(典礼詩)とバッカショート(夜明け前の祈り)の伝統が顕著。シリア・アレッポのパッカショート集会は世界的に有名。
背景
イスラム期以降、ユダヤ共同体はアラブ・ペルシア社会の文化生活に深く参与し、宗教詩・楽理・哲学の交差点を形成した。アラブ古典詩形(ムワッシャハ)とユダヤ典礼詩(ピユット)が同じ旋律で交換される現象も見られた。
発展
16-19世紀にアレッポ、バグダード、サナア、メクネスで地域様式が確立、第二次大戦後の中東ユダヤ人イスラエル移住(1948-70)とともに伝統は新天地に再構築された。1970年代以降のミズラヒ音楽復興運動はイスラエル世俗ポピュラー音楽(ミズラヒ・ポップ)の母胎となった。
出来事
- 16世紀: アレッポでバッカショート文化成立
- 1948: イスラエル建国、中東ユダヤ移住開始
- 2008: イスラエルでナショナル・ピユット・プロジェクト発足
派生・影響
イスラエルのミズラヒ・ポップ、Pizmonim運動、現代Piyut復興(イスラエル詩人D.アミハイら起源の運動)に連続する。
音楽的特徴
楽器声、ウード、カーヌーン、ナイ、ダフ
リズムアラブ・マカーム、ピユット詩形、コール&レスポンス
代表アーティスト
- Yair Dalal
代表曲
- Bakkashot of Aleppo — Yair DalalYouTube で検索