宗教・霊歌

ガリア聖歌

Gallican Chant

フランス / 西ヨーロッパ · 450〜800年

メロヴィング朝・カロリング朝以前のガリア(現フランス)で歌われた西方ラテン聖歌の地域伝統。

概要

現在のフランスを中心に、5-8世紀に各地の司教区で発展したラテン聖歌の総称。装飾豊かな東方的旋律とローマ系の詩篇唱が混在していたとされる。8-9世紀のフランク王国によるローマ典礼導入で大部分が失われ、断片的な旋律のみがグレゴリオ聖歌に吸収されて残った。

背景

ガリアのキリスト教はリヨン・ヴィエンヌなど地中海貿易拠点を経由して東方教会の影響を強く受けた。聖イレナイオスや聖ヒラリオ、トゥールのマルティヌスら聖人崇敬と結びついた地域典礼として発達した。地域司教の権威と結合した「教会の母語」的な役割を果たしていた。

発展

ピピン3世とカール大帝はフランク王国の統合のためローマ典礼を採用し、754年以降ガリア聖歌は段階的に置換された。一部の旋律はカロリング朝聖歌(後にグレゴリオ聖歌と総称される伝統)に取り込まれ、Improperia(聖金曜日交誦)などの曲種に痕跡を残す。20世紀の写本研究によって失われた聖歌の輪郭が再構築されつつある。

出来事

  • 754: ピピン3世、ローマ典礼採用を進める
  • 789: カール大帝『Admonitio generalis』、典礼統一を命令
  • 9世紀: ガリア要素を取り込んだフランク=ローマ聖歌が西方標準となる

派生・影響

カロリング朝で生まれた『グレゴリオ聖歌』はローマ系とガリア系が融合した産物であり、西方ラテン音楽全体の出発点となった。

音楽的特徴

楽器男声斉唱(無伴奏)

リズム自由リズム、東方的装飾と詩篇朗誦

代表アーティスト

  • Schola Hungaricaハンガリー · 1969年〜
  • Ensemble Organumフランス · 1982年〜
  • Anonymous 4アメリカ合衆国 · 1986年〜2015

代表曲

関連ジャンル

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