ブラック・ゴスペル
20世紀前半にトーマス・A・ドーシーらが創始した、アフリカ系アメリカ教会の現代的礼拝音楽。
概要
霊歌・ブルース・ジャズの語彙を融合し、教会礼拝で会衆と聖歌隊が応答的に歌う情熱的音楽。ハモンドオルガン、ピアノ、リズムセクション、聖歌隊で構成され、シャウト・ヴァンプ・モジュレーションを特徴とする。マハリア・ジャクソン、クララ・ウォード、ジェイムズ・クリーヴランドらが伝統ゴスペルを大成した。既存の『gospel』ジャンル(00-existing)との関係としては本項目はその伝統サブカテゴリ的補足。
背景
シカゴで活動したブルース歌手出身のトーマス・A・ドーシーが1930年代に教会音楽の新様式として『ゴスペル・ソング』を確立した。霊歌の集団的高揚に世俗ブルースの個人的感情表現を持ち込み、神学的には人間的苦悩と神への信頼を等しく扱う点で革新的だった。北部都市の黒人移住共同体の礼拝アイデンティティとなった。
発展
1940-60年代に黄金期を迎え、サム・クックらゴスペル出身者がソウル音楽の主流化を担った。1969年エドウィン・ホーキンス『Oh Happy Day』のクロスオーバー・ヒット以降、現代福音音楽(Contemporary Gospel)が分岐し、カーク・フランクリン世代が90年代以降の主流となった。
出来事
- 1932: トーマス・A・ドーシー『Take My Hand, Precious Lord』作曲
- 1947: マハリア・ジャクソン『Move On Up a Little Higher』ミリオンセラー
- 1969: エドウィン・ホーキンス『Oh Happy Day』全米2位
- 1995: カーク・フランクリン『Stomp』、ゴスペルのヒップホップ化
派生・影響
Soul、R&B、現代CCM、Hip Hop Gospel、Praise & Worshipのほぼすべての出発点。
音楽的特徴
楽器声、聖歌隊、ピアノ、ハモンドオルガン、ベース、ドラム
リズムブルーノート、シンコペーション、コール&レスポンス、ヴァンプ反復
代表アーティスト
- Thomas A. Dorsey
- Clara Ward
- Edwin Hawkins
代表曲
- Take My Hand, Precious Lord (Dorsey) — Thomas A. Dorsey (1932)YouTube で検索
- Move On Up a Little Higher — Mahalia Jackson (1947)YouTube で検索
- Oh Happy Day (Hawkins) — Edwin Hawkins (1969)YouTube で検索