カルナーティック信愛歌
南インド・カルナーティック古典音楽体系の中で発達した、神への信愛を主題とする声楽伝統。
概要
三聖(トリニティ:ティヤーガラージャ・ムッタスワーミ・ディークシタール・シャーマ・シャーストリ)の作品を中心に、寺院・私邸・コンサートで歌われるカルナーティック信愛声楽。ヴィオリン・ムリダンガ・ガタム伴奏でラーガとターラに従い、信愛の物語を即興と作品の双方で展開する。既存のカルナーティック古典(00-existing)との関係としては本項目はその信愛レパートリーに焦点。
背景
南インドのバクティ運動とサンスクリット・タミル・テルグ詩文化の融合のなかで、カルナーティック音楽は本質的に信愛音楽として発達してきた。コンサート様式と寺院信愛(バジャン・サンプラダーヤ)の二重性が特徴で、信愛は古典芸術の精神的核となる。
発展
18-19世紀タンジョール周辺で三聖がレパートリーの基礎を築き、20世紀のM.S.スッブラクシュミ、センマンガリ・スリーニヴァサ・アイヤルらが信愛声楽の現代演奏様式を確立した。シャンカラチャーリャ系・シュリー・ヴィシュヌ・サハスラナーマ・パラーヤナ等の宗教歌唱運動と結合し、米英タミル・コミュニティでも継承される。
出来事
- 1767: ティヤーガラージャ生誕
- 1846: 三聖の主要作品ほぼ完成
- 1949: M.S.スッブラクシュミ『Bhaja Govindam』録音
- 1966: チェンナイ音楽アカデミー国際カルナーティック会議
派生・影響
タミル映画音楽、現代インドゴスペル(タミル系)、サウンダリャ・ラハリ朗誦運動など南インド宗教文化の広範な領域に影響を残す。
音楽的特徴
楽器声、ヴィオリン、ムリダンガ、ガタム、カンジーラ、タンブーラ
リズムラーガ・ターラ体系、即興、サンスクリット・テルグ・タミル詩
代表曲
- Bhaja Govindam — M. S. Subbulakshmi (1949)YouTube で検索
- Vishnu Sahasranamam — M. S. Subbulakshmi (1962)YouTube で検索