サクレッド・ハープ
形音符(シェイプ・ノート)で記譜される、四声体の参加型讃美歌歌唱伝統。
概要
1844年ジョージア州で出版された讃美歌集『The Sacred Harp』に基づくア・カペラ四声体合唱伝統。歌い手が四角形に向かい合い、まず階名(fa-sol-la-mi)で旋律を歌い、その後歌詞を歌う独特の様式。素朴で力強い和声と豊かなディソナンスを特徴とする。
背景
18世紀ニューイングランドのウィリアム・ビリングスら『歌う学校(Singing School)』伝統と、文盲層にも音価教育を届けるためのシェイプ・ノート記譜が南部で結合して発達した。共同体の参加と音楽教育を統合する民主的音楽実践として、開拓地の教会・学校で広まった。
発展
19世紀後半にジョージア・アラバマで独自共同体化し、20世紀初頭は衰退するも、1960-70年代のフォーク・リヴァイヴァルと学術的関心によって再活性化した。現在は全米・英国・欧州・日本にも歌唱集会(シングス)が広がる。映画『コールド・マウンテン』(2003)で世界的注目を集めた。
出来事
- 1801: ウィリアム・リトル『The Easy Instructor』、四形音符記譜法刊行
- 1844: B.F.ホワイト&E.J.キング『The Sacred Harp』初版
- 1991: アラン・ローマックス監修『The Sacred Harp:1959 Recording』再発
- 2003: 映画『コールド・マウンテン』で再注目
派生・影響
シェイプ・ノート教育法は米国音楽リテラシー普及の基盤となり、20世紀後半のフォーク・リヴァイヴァル・古楽演奏(Tim Eriksen)・現代ミニマル音楽(William Duckworth)にも影響を残した。
音楽的特徴
楽器声(ア・カペラSATB)
リズム形音符記譜、階名先唱、剛直な四声和声、参加型
代表アーティスト
- Sacred Harp Singers at Liberty
代表曲
- Idumea (Sacred Harp 47b) — Sacred Harp Singers at LibertyYouTube で検索
- Wondrous Love — Sacred Harp Singers at LibertyYouTube で検索