アンブロジオ聖歌
北イタリア・ミラノ大司教区で伝承されるラテン典礼聖歌。ミラノ典礼に固有の独自伝統。
概要
聖アンブロジウス(340頃-397)に由来するとされるミラノ独自の聖歌で、グレゴリオ聖歌より装飾的で旋律幅が広い箇所と、より素朴な詩篇朗誦が混在する。ミラノ大聖堂や教区教会のミサ・聖務日課で現在も用いられる。
背景
4世紀ミラノで聖アンブロジウスが東方シリアから讃美歌(ヒムヌス)の習慣を導入し、対唱形式の会衆歌唱を組織した伝承を持つ。ローマ典礼が西方標準化される中でもミラノは独自典礼を保持し、聖歌もまた地域伝統として残った。地域教会の自治の象徴として、信徒・聖職者双方の誇りと結びついて伝承されてきた。
発展
中世を通じてミラノ周辺で写本に記録され、ローマ化の圧力を受けつつも独立を保った。トリエント公会議でも200年以上の歴史を持つ典礼として例外的に存続が認められた。20世紀以降ミラノ大司教区の聖歌学者により楽譜が整備され、第2バチカン公会議後の改革でも独自典礼として復興された。
出来事
- 386: アンブロジウス、ミラノで対唱詩篇歌を導入
- 1576: カルロ・ボッロメオ、典礼書を再編集
- 1622: ローマでアンブロジオ典礼の存続が公式に確認される
- 1935: ミラノ司教区が現代版アンブロジオ・グラドゥアルを刊行
派生・影響
アンブロジオの讃美歌詩形(イアンブス2歩格四行詩)はラテン讃美歌の基本形となり、中世から近代までヨーロッパ讃美歌全般のひな型となった。
音楽的特徴
楽器男声斉唱、会衆斉唱
リズム自由リズム、独自旋法、対唱形式
代表アーティスト
- Cappella Musicale del Duomo di Milano
代表曲
- Cantus Ambrosianus: Te Deum — Cappella Musicale del Duomo di MilanoYouTube で検索