ハドラ
北アフリカ・中東のスーフィー教団で行われる、集団詠唱と身体運動による礼拝集会。
概要
シャーズィリー、ティジャーニー、リファイー、シャーディリーら各教団の本拠地で、ジクル(神名連祷)を太鼓・タンバリン・呼吸・身体運動と統合して行う礼拝形式。地域・教団により音響的特徴は多様だが、共同体的高揚と神への没入を目指す点で一貫する。
背景
12-13世紀以降の北アフリカ・エジプト・シャーム地方のスーフィー教団形成と並行して、共同礼拝として発達した。アラビア語『hadra(臨在)』は『神の臨在』を意味し、儀礼参加者は集団的祈りの中に神の現前を体験する。
発展
オスマン帝国期にカイロ、ダマスカス、フェズ等の都市で確立し、シャイフ(教団長)に率いられた礼拝音楽として継承された。20世紀以降、観光化と世俗音楽化の波の中で形を変えつつ、モロッコ『サマー』、シリア『ハドラ・シャミーヤ』、エジプト『マウラウィー・ハドラ』など独自地域形態として世界に紹介されている。
出来事
- 13世紀: シャーズィリー教団成立(チュニジア)
- 16世紀: ハドラ・シャミーヤがダマスカスで発達
- 2000年代: フェス世界宗教音楽祭で国際的紹介
派生・影響
モロッコのGnawa儀礼、エジプトのザール儀礼、トルコのセマと相互影響しつつ、ワールド・ミュージック分野でアラブ・スーフィー音楽の代表的形式として再演される。
音楽的特徴
楽器声、ダフ、ベンディール、ナイ、太鼓、身体打楽
リズムジクル定型句、集団呼吸、加速・転調、参加型
代表アーティスト
- Sheikh Yasin al-Tuhami
代表曲
- Hadra Shadhiliyya — Sheikh Yasin al-TuhamiYouTube で検索