ハシディズム・ニグン
東欧ハシディズム諸派が発達させた、歌詞のない神秘的な集団歌唱。
概要
言葉を超えて神に到達することを目指し、『バム・バム』『ヤイ・ダイ・ダイ』などの音節のみで歌われる旋律。各ハシディズム王朝(ヴィーズニツ、ヘルツィン、ハバード、ボブフ等)が固有のニグン・レパートリーを持ち、シャバット・祝祭日・結婚式で円陣で歌い踊る。
背景
18世紀ウクライナで成立したバール・シェム・トヴ(1698-1760)の神秘主義運動ハシディズムは、神への奉仕を学識ではなく感情的歓喜と祈りの中に置いた。ニグンは『言葉を超えた魂の歌』として神秘的合一の手段とされる。
発展
19世紀の各王朝で固有レパートリーが整備され、ハバードの第6代レベ・ヨセフ・イツハク・シュナーソン期に旋律集成が進んだ。第二次大戦のショアーで多くの伝承が失われたが、米ニューヨーク・イスラエル・アントワープ等のハシディック共同体で再生され、近年は『ハシディック・ポップ』としてアヴラハム・フリード、シュロイメ・ガーツェルらが大衆化した。
出来事
- 1760: バール・シェム・トヴ没、ハシディズム拡大
- 1880: ハバード・ハシディズムでニグン集成開始
- 1939-45: ホロコーストで東欧伝承大半消失
- 1990年代: アヴラハム・フリードらハシディック・ポップ世界化
派生・影響
現代ハシディック・ポップ、クレズマー、米国ユダヤ宗教音楽、近年のニッチな『ニグン即興』運動など多分野に発展。
音楽的特徴
楽器声(無伴奏ないしクレズマー楽器)、男声集団
リズム言葉なき音節、有節循環、加速、円陣身体運動
代表アーティスト
- Shlomo Carlebach
代表曲
- Niggun Neshama — Shlomo Carlebach (1969)YouTube で検索