ヒップホップ
1970年代のニューヨークで、DJ・Rap・Breakdance・Graffitiの文化とともに生まれた音楽。
どんな音か
ドラムマシンかサンプルされたブレイクビーツがリズムの中心。BPMは70台から100台が主流で、4拍子の2拍4拍にスネアが落ち、その隙間にハイハットが細かく刻まれる。ラッパーは韻と拍を意識して言葉を乗せていき、メロディよりも「言葉のリズム」が先行する。古いサンプルを切り貼りして再構成するDJ仕事、即興でラッパーが言葉を出すサイファー、グラフィティ、ブレイクダンスといった周辺文化全部を含めて「ヒップホップ」と呼ぶ。
生まれた背景
1973年、ニューヨーク・ブロンクスのアパートの集会室。ジャマイカ系移民のDJクール・ハークが、レコードのドラム部分(ブレイク)だけを2枚使いで延々と繰り返したのが起点。当時のブロンクスは行政の放置で街が荒れ、若者が銃ではなくMC・DJ・ダンス・グラフィティで縄張り争いをするようになる、という社会背景があった。1979年のシュガーヒル・ギャング『Rapper's Delight』が初の商業ヒット。1980年代後半にラン・DMC、パブリック・エネミー、N.W.A、1990年代にナズ、ノトーリアス・B.I.G、2Pac、ドクター・ドレー、エミネム……と決定的な作品が並び、2000年代以降はジェイ・Z、カニエ・ウェスト、ドレイク、ケンドリック・ラマーら一人ひとりが世界規模の存在になる。
聴きどころ
音楽的特徴
楽器ターンテーブル、サンプラー、ドラムマシン、声
リズムブレイクビーツ、4/4、サンプリング
代表アーティスト
- Grandmaster Flash
- Dr. Dre
- A Tribe Called Quest
- Public Enemy
- 2Pac
- Lauryn Hill
- Mobb Deep
- Nas
- Snoop Dogg
- Wu-Tang Clan
- Kendrick Lamar
- Travis Scott
代表曲
- Rapper's Delight (1979)
- The Message — Grandmaster Flash (1982)
- Fight the Power — Public Enemy (1989)
- Juicy (1994)
- HUMBLE. — Kendrick Lamar (2017)
日本との関係
初めて聴くなら
1曲だけ聴くなら、Nas『N.Y. State of Mind』(1994)。サンプリングとリリックの密度がここで完成した。最近のものを聴くなら、Kendrick Lamar『DNA.』(2017)。アグレッシブな1曲で「2010年代後半のラップ」が分かる。日本語で入るなら、Creepy Nuts『Bling-Bang-Bang-Born』。アニメ主題歌として世界的にバズった一曲で、ラップとアイドル文化の交差点。
豆知識
「Hip-Hop」という言葉は、ラッパーのキース・カウボーイ(フューリアス・ファイブ)が1978年頃にステージ上で兵隊の行進を真似してリズム遊びで言ったのが原型と言われる。「ターンテーブリスト」という呼び名(DJを単なる選曲家ではなく楽器演奏者として捉える呼称)は、1990年代半ばのDJ Babuらが定着させた言葉。
影響・派生で結ばれたジャンル
- K-pop
- ソウル
- レゲトン
- アフロビーツ
- コリードス・トゥンバドス
- トラップ
- ドイツ語ラップ
- ネオソウル
- フランス語ラップ
- K-ヒップホップ
- イタリア語ラップ
- グライム
- トラップ・アルヘンティーノ
- パンジャーブ・ポップ
- ロシア語ラップ
- ローファイ・ヒップホップ
- V-POP
- スウェーデン語ラップ
- バルカン・トラップ
- ボンゴ・フラヴァ
- ボンゴ・フラヴァ
- ポルトガル語ヒップホップ
- ポーランド語ラップ
- ゲンゲトーン
- スイスドイツ語ラップ
- フィンランド・ポップ
- Gファンク
- LAビート・シーン
- ウォンキー
- クラウドラップ
- グリッチ・ホップ
- コンテンポラリーR&B
- ヒップライフ
- ブーンバップ
- プランダーフォニックス
