Dua Lipaの大ヒット以降、彼女のルーツとしてアルバニア音楽が日本でも紹介されるようになった。ただしバルカン・トラップ本体への接点はまだ薄い。DJ Gimi-Oの『Habibi』(2020年)がTikTok経由で世界的にバイラル化し、日本のTikTokでも一時的にダンス動画のBGMとして使われた。日本国内ではアルバニア系コミュニティが極めて小さく、専門のクラブイベントもほとんどないが、ロシア/東欧系の音楽ファンとEDM/トラップ・リスナーの両方が交差する地点で発見されつつある。
DJ Gimi-Oの『Habibi』のサビ部分は、実はチュニジア人歌手Balti & Hamoudaの『Sidi Mansour』のメロディを下敷きにしており、アラブ世界とバルカン世界の旋律が地中海を挟んで響き合っていることが分かる。またDua Lipaは2022年、コソボのプリシュティナで主催したフェス『Sunny Hill Festival』にDiplo、J Balvin、Stormzyを呼び、コソボを音楽地図に正式に書き込んだ。バルカン半島がトラップの新しい辺境ではなく、もう一つの中心地になりつつある証拠。