クラウドラップ
2010年頃SoundCloudで成立した、空気感あるアンビエント的ビートと夢幻的ヴォーカルを特徴とするHip Hopサブジャンル。
どんな音か
クラウドラップは、霞んだシンセ、薄いドラム、夢の中のようなサンプルを背景に、力を抜いたラップが乗る音楽。Clams Casinoのビートは声の断片が霧のように広がり、Lil Bは技巧より存在感とムードで押す。A$AP Rockyの初期曲では、低く遅いラップと空間的なビートが、夜のネット画面のような浮遊感を作る。
生まれた背景
聴きどころ
ラップの言葉を全部追うより、声がビートにどれくらい溶けているかを聴く。キックやスネアは硬くても、上ものは遠くにぼやける。サンプルが歌のように聞こえる部分、ラップが独り言のように低く沈む部分が、クラウドラップの感触になる。
発展
A$AP Rocky『LiveLoveA$AP』(2011)で広く知られた。Witch House、Vaporwaveと美学的に近接。
出来事
- 2009: Lil B『6 Kiss』 / 2011: A$AP Rocky『LiveLoveA$AP』 / 2011: Clams Casino『Instrumental Mixtape』
派生・影響
SoundCloud Rap、Witch House、Vaporwave、Trap。
音楽的特徴
楽器DAW、サンプラー、シンセ、Auto-Tune
リズム60-90 BPM、アンビエント・ビート、深いリバーブ
代表アーティスト
- A$AP Rocky
- Lil B
- Clams Casino
- SpaceGhostPurrp
代表曲
- I'm God — Clams Casino (2011)
Wonton Soup — Lil B (2010)
Peso — A$AP Rocky (2011)
Im God — Clams Casino (2011)
Live.Love.A$AP — A$AP Rocky (2011)
日本との関係
初めて聴くなら
ビートの原型を知るなら「I'm God — Clams Casino (2011)」。ネット的な脱力感は「Wonton Soup — Lil B (2010)」。ラップ作品として入りやすいのは「Peso — A$AP Rocky (2011)」や「Live.Love.A$AP — A$AP Rocky (2011)」だ。
豆知識
クラウドラップのcloudは、音の霞みだけでなく、クラウド上で広がる音楽という感覚にも合っている。スタジオより先に、リンク、動画、画像、タグでムードが共有されたジャンルである。
影響・派生で結ばれたジャンル
同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル
- エレクトロニックフォンク
- エレクトロニックヴェイパーウェイヴ
- エレクトロニックシーパンク
- ロック・メタルイージーコア
- エレクトロニックLAビート・シーン
- エレクトロニックフューチャー・ファンク
- エレクトロニックモールソフト
- ヒップホップ・R&Bサウンドクラウド・ラップ
