ジャズ
1910年代のニューオーリンズで成立した、即興演奏とスウィングを核とする音楽。
まずはここから
ひとことで言うと1910年代のニューオーリンズで成立した、即興演奏とスウィングを核とする音楽。
まずはこの曲からBillie Holiday — Strange Fruit ▶ YouTube
代表的な人Duke Ellington
どんな音か
一人のピアノから十数人の大編成まで、編成の幅は広い。基本となる音は、サックス、トランペット、ピアノ、コントラバス、ドラム。スウィングと呼ばれる、リズムを少し跳ねさせる独特のノリが土台になっている。ベースが1拍ずつ規則正しく音を刻み、その上でドラムが推進力を生む。とくにハイハット(足元で開閉する2枚一組のシンバル)を2拍目と4拍目で鳴らすのが特徴だ。テーマ(曲のメロディ)を全員で短く演奏したあと、メンバーが順番にソロを取る「アドリブ」の音楽だ。とはいえ完全な自由ではなく、同じ和音の流れ(コード進行)を何度も繰り返しながら、その上に毎回違うメロディを乗せていく。この制約の中での即興こそが、ジャズの面白さの核心だ。スタイルはディキシーランド、スウィング(ビッグバンド)、ビバップ、クール、ハードバップ、モード、フリー、フュージョンと、約100年で何度も枝分かれしてきた。
このジャンルを特徴づける代表的なリズムパターン。再生ボタンでループ再生し、下のリズム譜で今どの拍が鳴っているかを確認できます。
聴きどころ
まずは「テーマ・ソロ・ソロ・ソロ・テーマ」という構造を追い、いま誰が主役(ソロ)なのかを聴き取るだけで十分楽しめる。慣れてきたら、ベースが音階を一歩ずつ歩くように刻む「ウォーキングベース」と、ピアノが合間に和音を差し込む「コンピング」を聴き分けてみたい。この二つがわかると、曲の景色がぐっと変わる。ソロの最中、奏者が休符(間)をどう生かすかも面白い。同じ曲が、奏者の数だけ別の物語になる。それを耳で聴き分けられたとき、ジャズは一気に面白くなる。
初めて聴くなら
1枚で「ジャズとは」を知りたいなら、Miles Davis『Kind of Blue』(1959)。めまぐるしくコードが変わるそれまでのジャズと違い、少数の音階(モード)の上で長く演奏する手法を広く知らしめた決定盤だ。ひとつの気分に長く留まれる――ビバップの慌ただしさへの反動として生まれ、半世紀を経てなお古びない一枚である。歌付きで入りたいなら、Billie Holiday『Lady Sings the ブルース』(1956)。声はもう枯れているのに、いや枯れているからこそ、歌い回しだけで一曲を持たせてしまう。最近のものを聴きたいなら、Robert Glasper『Black Radio』(2012)。ヒップホップとR&Bを通ってきたピアニストによる、現代ジャズへの入口になる。同じく最近のものなら、Kamasi Washington『The Epic』(2015)。ゴスペルやオーケストラの壮大さを取り込んだ、現代の「スピリチュアル・ジャズ」を体感できる。
代表アーティスト
- Duke Ellington
- Louis Armstrong
- Count Basie
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- Ella Fitzgerald
- Billie Holiday
- Thelonious Monk
- Miles Davis
- Robert Glasper
- Christian Scott aTunde Adjuah
- Kamasi Washington
- GoGo Penguin
- Nubya Garcia
代表曲
- Billie Holiday — Strange Fruit (1939)
- Duke Ellington — Take the A Train (1941)
- Thelonious Monk — 'Round Midnight (1947)
もっと見る(あと4件)
- Miles Davis — So What (1959)
- John Coltrane — Giant Steps (1960)
- John Coltrane — My Favorite Things (1961)
- Louis Armstrong — What a Wonderful World (1967)
生まれた背景
20世紀初頭のニューオーリンズは、フランス・スペイン・西アフリカ・カリブの音楽が混ざり合う港町だった。ここで、ブラスバンドの行進編成と、コンゴ広場で受け継がれた西アフリカのリズム、黒人教会のブルース感覚が結びついた。
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第一次世界大戦後にミュージシャンが北部都市シカゴ、ニューヨークへ移動し、ラジオとレコードを通じて全米に広がる。1930年代にはデューク・エリントンやカウント・ベイシー、ベニー・グッドマンらのビッグバンドが、踊るためのダンス音楽としてジャズを全盛に導いた。そして1940年代、チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーらが「ビバップ」を生み出し、踊るための音楽だったジャズを、演奏者同士が高度な技を競い合う「聴いて驚く音楽」へと作り変えた。1959年のマイルス・デイビス『Kind of Blue』は、いまも広く演奏されるジャズの「定番(スタンダード)」を残した。翌1960年に発表されたコルトレーン『Giant Steps』は、「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれる高速の和音進行で、演奏技術の試金石となった一枚だ。そして現代も二つの流れが同時に進む。たとえば一方にはウィントン・マルサリスらが過去の名演を磨き直す動きがあり、他方にはカマシ・ワシントンのように映画音楽のような壮大さへ拡張する動きもある。この二極が現代ジャズの幅を示している。
音楽的特徴の詳細
楽器サックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラム
リズムスウィング、シンコペーション、即興
その後の代表曲
- Robert Glasper — Afro Blue (2012)
- GoGo Penguin — Hopopono (2014)
- Christian Scott aTunde Adjuah — The Emancipation Procrastination (2017)
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- Kamasi Washington — Truth (2017)
- Nubya Garcia — Source (2020)
日本との関係
豆知識
「ビバップ」という名前は、諸説あるが、2音のフレーズ末尾を模したスキャット(歌詞のない即興的な歌い回し)の音節「bee-bop」に由来するとされる。また、ディジー・ガレスピーがフレーズを口で歌う時の擬音から来たという説もある。
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日本語の「ジャズ喫茶」は1950年代に生まれた独自の文化で、店によっては客は基本的に話さず、店主が選んだレコードに集中して耳を傾ける。一方、新宿のDUG(1967年開店)のように、会話しながら聴ける「リスニングバー」の先駆けとなった店もある。吉祥寺のMEGをはじめ、いまも営業を続ける店は少なくない。
影響・派生で結ばれたジャンル
もっと見る(あと4件と系譜図)
感触が近い系譜も地域も違うのに、聴くと通じるジャンル
ジャズが好きな人は、この6つも刺さる可能性が高いです。系譜図には出てこない、意外な隣人たち。
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