2010年代半ば、ブエノスアイレス中心部のパルケ・リバダビアで開かれた即興バトルラップ大会「El Quinto Escalón(2012〜2017)」が直接の起点。Duki、Trueno、Wos、Ecko、Khea、Paulo Londra、Bizarrapらがここから出てきた。当時のアルゼンチンは経済危機が常態化しており、家を出られない若者たちがYouTubeに自宅録音を上げ、わずかな機材で世界に届く道を切り開いた。Bizarrapの『BZRP Music Sessions』はその後、Shakira、Quevedo、Residenteらを巻き込みグローバル現象になった。
「El Quinto Escalón」は直訳すると「第五の階段」。会場だったパルケ・リバダビアの公園内の階段がそのまま大会名になった。優勝賞金は当初わずか数千ペソ、観客は数百人規模だったが、決勝戦のYouTube動画が数千万再生を記録するモンスター・コンテンツに育った。Bizarrap(本名Gonzalo Julián Conde)は常にトラックスーツとサングラスとキャップで登場し、素顔をほぼ公にしていない。日本のヒップホップDJ/プロデューサーにとって、自宅完結型でグローバルに届く成功例として頻繁に参照されている。