ポップ

AOR

Album Oriented Rock

アメリカ合衆国 / 北米 · 1976年〜

1970年代後半〜80年代の米国で成立した、洗練された大人向けRock/Pop。

どんな音か

AORは、1970年代後半から80年代の洗練されたロックポップ。ギターは歪みすぎず、エレピやシンセが滑らかに響き、コーラスは厚く整えられる。Totoの「Africa」や「Rosanna」では、複雑な演奏をしていても耳当たりは軽く、Steely Danではジャズ和声と皮肉な歌詞が都会的に磨かれている。

生まれた背景

もともとAORはアルバム単位で聴かれるロックを指すラジオ業界の言葉だったが、日本では大人向けの洗練されたロック、シティ感のあるポップを指す用法が強い。アメリカ合衆国西海岸のスタジオ・ミュージシャン文化、高品質な録音、FMラジオの時代感が音を支えている。

聴きどころ

派手なギターソロより、ドラムの正確なグルーヴ、ベースの滑り、コーラスの重なりを聴くとよい。曲は軽く聞こえても、和音や転調は凝っていることが多い。夜のドライブ感、都会的な余裕、少し苦い歌詞のバランスがAORらしさになる。

代表アーティスト

  • Boz Scaggsアメリカ合衆国 · 1965年〜
  • The Doobie Brothersアメリカ合衆国 · 1970年〜
  • Steely Danアメリカ合衆国 · 1971年〜2017
  • Totoアメリカ合衆国 · 1977年〜

代表曲

日本との関係

日本ではAORという言葉が独自に定着し、シティポップの再評価とも強く結びついた。山下達郎、角松敏生、80年代のスタジオ録音文化を聴く耳と近く、レコード店でもAOR棚は根強い人気がある。海外では同じ範囲をYacht Rockなど別名で語ることもある。

初めて聴くなら

入口は「Africa — Toto (1982)」と「Rosanna — Toto (1982)」。ジャズ寄りの洗練を聴くなら「Peg — Steely Dan (1977)」。ソウルフルな大人のグルーヴなら「Lowdown — Boz Scaggs (1976)」がよい。

豆知識

日本で言うAORは、英語圏のAORと完全には重ならない。日本のリスナーは特に、都会的、メロウ、録音が良い、演奏がうまいという感覚でこの言葉を育ててきた。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1950年代1960年代1970年代AORAORソウルソウルロックロックシティポップシティポップ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
AORを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 1976年前後 (±25年)

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