ヒップホップ・R&B

ヒップライフ

Hiplife

アクラ / ガーナ / 西アフリカ · 1994年〜

別名: Ghana Hip Life

1990年代ガーナでハイライフと米英ヒップホップが融合して生まれた、トゥイ語ラップを核とする若者音楽。

どんな音か

ヒップライフは、ガーナハイライフのギター感覚と、ヒップホップのラップ、ビートメイクを混ぜた音楽。トゥイ語など現地語のラップが前に出て、リズムは腰の位置で跳ねる。Reggie Rockstoneの初期曲には90年代ヒップホップのざらつきがあり、Sarkodieの曲ではより現代的なビートと高速ラップが聴ける。明るいギターやコーラスが入ると、街のパーティ感がぐっと増す。

生まれた背景

1990年代半ばのガーナで、海外のヒップホップに憧れた若者たちが、自分たちの言語とハイライフの感覚で作り直した。Reggie Rockstoneはヒップライフという呼び名を広めた中心人物として知られる。英語だけでなくトゥイ語でラップすることが、輸入文化ではなくアクラの若者音楽として根づく鍵になった。

聴きどころ

ラップの言語のリズムと、ハイライフ由来の軽いギターやコーラスの重なりを聴くとよい。アメリカ合衆国ヒップホップより、拍の取り方が明るく跳ねる曲も多い。サビで歌に開く瞬間、クラブ向けの低音が入る瞬間に、ガーナの都市音楽としての混ざり方が見える。

発展

2000年代にはVIPやサーキー、トリゴマティックが台頭し、ナイジェリア・アフロビーツやアフロ・ハウスとの交流が深まった。2010年代以降はEDMや南ア・アマピアノを取り込みアフロ・ポップの広域マーケットの一翼を担う。

出来事

  • 1994: レジー・ロックストーン帰国
  • 1996: VIPデビュー
  • 2003: ガーナ音楽産業協会GAMIA設立
  • 2010: サーキーがアフリカ全土でブレイク

派生・影響

ハイライフ、米英ヒップホップ、ナイジェリア・アフロビーツと相互影響し、現代アフロ・ポップ全体に流れ込んだ。

音楽的特徴

楽器サンプラー、シンセ、ドラムマシン、エレキギター、声

リズムハイライフ系2拍系リズム、トラップ・ハイハット、トゥイ語ラップ

代表アーティスト

  • Reggie Rockstoneガーナ · 1994年〜
  • Sarkodieガーナ · 2009年〜

代表曲

日本との関係

日本ではアフリカン・ポップやワールドミュージックの紹介、配信サービスを通じて触れられる程度で、広い流行にはなっていない。ただしアフロビーツへの関心が高まったことで、ガーナのラップやダンス音楽にもアクセスしやすくなった。アフリカ音楽イベントでSarkodieのような名前を見かけることもある。

初めて聴くなら

歴史の入口なら「Sweetie Sweetie — Reggie Rockstone (1997)」。現代的なラップの切れ味なら「Illuminati — Sarkodie (2012)」。歌ものとして入りやすい曲を選ぶなら「Adonai — Sarkodie (2014)」がよい。

豆知識

ヒップライフという言葉はヒップホップハイライフを合わせたもの。単なる融合名ではなく、ガーナの若者が海外のラップを自分たちの言葉と街のビートへ移し替えた、かなりはっきりした文化的宣言でもあった。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1920年代1970年代1990年代ヒップライフヒップライフハイライフハイライフヒップホップヒップホップ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
ヒップライフを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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