エレクトロニック

グリッチ・ホップ

Glitch Hop

アメリカ合衆国 / 北米 · 2001年〜

GlitchとHip Hopビートを融合した、2000年代後半のサブジャンル。

どんな音か

グリッチ・ホップは、ヒップホップのビートに、細かく壊れた電子音や音飛びを混ぜた音楽。スネアやキックは首を振れる位置にありながら、声の断片やノイズが細かく刻まれる。Prefuse 73ではラップのフレーズが解体され、Daedelusでは柔らかなサンプルが歪んだリズムの上で揺れる。

生まれた背景

2000年代前半から、IDM、グリッチ、インスト・ヒップホップ、LAビート文化の周辺で広がった。サンプラーやノートPC制作によって、ヒップホップのループをより細かく編集できるようになり、ビートそのものを実験の場にした。

聴きどころ

ラップのためのビートとして聴ける部分と、ビートが細かく崩れる部分の差を聴く。キックとスネアは残っていても、上に乗る音が破片化されるため、身体は揺れながら耳は忙しくなる。

発展

2010年代に Bass Music の一形態として再定式化され、フェスティバル系シーンにも進出した。

出来事

  • 2001: Prefuse 73『Vocal Studies + Uprock Narratives』 / 2010: Glitch Mob『Drink the Sea』

派生・影響

Wonky、IDM、Bass Music。

音楽的特徴

楽器DAW、サンプラー、グリッチプラグイン

リズム70-110 BPM、Hip Hopビート、マイクロエディット

代表アーティスト

  • Prefuse 73アメリカ合衆国 · 2001年〜
  • Daedelusアメリカ合衆国 · 2002年〜
  • Pretty Lightsアメリカ合衆国 · 2006年〜

代表曲

日本との関係

日本ではインスト・ヒップホップ、ブレイクビーツ、ネットレーベル系の電子音楽を聴く層に届いた。Nujabes以降のビート感覚とは違うが、サンプルを細かく扱う制作には近い関心がある。

初めて聴くなら

入口は「The End of Biters — Prefuse 73 (2001)」。声の刻みを聴くなら「Vocal Tics — Prefuse 73 (2003)」。よりメロウに入るなら「Finally Moving — Pretty Lights (2006)」がよい。

豆知識

グリッチ・ホップは、ヒップホップを壊すというより、ビートの中にある小さなズレを拡大する音楽とも言える。ラップが乗らなくても、リズムの言語はヒップホップに根を持っている。Prefuse 73の初期作品では、MCの声が意味を伝える前に細かい打楽器のように刻まれ、サンプリングと編集の境目が曖昧になる。

影響・派生で結ばれたジャンル

ジャンル関係図1970年代1990年代2000年代グリッチ・ホップグリッチ・ホップヒップホップヒップホップグリッチグリッチ凡例派生影響同系統
凡例
派生影響同系統
グリッチ・ホップを中心とした近傍図。中心と直接結ばれるエッジが強調表示されます。

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同じ時期・同じ地域で生まれた他のジャンル

アメリカ合衆国 · 2001年前後 (±25年)

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